状況問題はどんな構造になっている?
PMPの状況問題は、ほぼ同じ骨組みでできています。状況(何が起きたか)、制約(使える手段や条件)、問い(何を答えるか)の3つです。
ECO 2026も、受験者は状況にもとづく問題を通じて、知識と経験を仕事の場面に当てはめると説明しています。問いの多くは、プロジェクト・マネジャー(PM)が何をすべきかを聞く形です。
- 状況プロジェクトの種類、アプローチ、起きた出来事。最も長い部分読む
- 制約「ベースラインは承認済み」「スプリントの途中」「契約は固定価格」などの条件印を付ける
- 問い「まず何をすべきか」「最も適切な対応は」「何をすべきだったか」最初に読む
当サイトの整理。問題によっては制約が状況の中に埋もれています。
解けない原因の多くは、状況を読み込みすぎて制約を見落とすことです。「ベースラインは承認済み」の一言があれば、変更には変更管理が要ります。「スプリントの途中」とあれば、スプリントのゴールを守る判断が要ります。
ステップ1:なぜ問いを先に読むの?
問いの形によって、選ぶ基準が変わるからです。問題文の最後の一文を先に読み、何を探しながら状況を読むのかを決めます。
| 問いの形 | 選ぶ基準 |
|---|---|
| まず何をすべきか/最初に | 順序。分析・確認・当事者との対話が先に来やすい |
| 次に何をすべきか | すでに済んだ行動の、一つ後の行動 |
| 最も適切な対応は | 複数の正しい行動のうち、原則に最もかなうもの |
| 何をすべきだったか/防げたか | 過去の段階(計画など)で抜けていた行動 |
| どの文書・手法を使うか | その段階で使う道具の知識 |
「まず」と「次に」の違いは特に大切です。「次に」の問いでは、状況の中にPMがすでに何をしたかが書かれています。それをもう一度やる選択肢は誤りです。「まず」問題の考え方は最初にすべきことを選ぶ問題で詳しく扱っています。
ステップ2:予測型かアジャイルかをどう判断する?
ECO 2026によると、予測型の問題は約40%、残りの約60%がアジャイルとハイブリッドです。アプローチが違うと正解も変わります。
「スプリント」「プロダクトオーナー」「バックログ」「ベロシティ」などがあればアジャイルです。「ベースライン」「変更管理委員会」「WBS」「クリティカルパス」などがあれば予測型です。両方が混ざっていればハイブリッドを考えます。
たとえば新しい要望が来たとき、予測型なら変更要求として変更管理に乗せます。アジャイルならプロダクトオーナーに伝え、バックログで優先順位を付けてもらいます。見分け方は予測型とアジャイルの見分け方にまとめました。
ステップ3:今どの段階かをどう特定する?
同じ出来事でも、段階によって正しい一手が違います。段階の特定が、4つのステップで最も差がつく部分です。
- 立ち上げ・計画の段階:計画が固まっていないなら、ステークホルダーの特定や要求の確認が先です。
- 実行中・問題が起きた直後:まず影響と原因を分析します。いきなり対策を実行する選択肢は避けます。
- 分析が済んでいる:状況に「影響を分析した」とあれば、次は変更要求の提出や対応策の実行です。
- 承認が済んでいる:承認された変更なら、実行して文書を更新し、関係者に伝えます。
- 終結の段階:受け入れの確認、教訓の記録、契約や資源の解放です。
状況の中の「すでに」「先週」「承認された」「影響を分析したところ」といった語に印を付けると、段階を見誤りにくくなります。
ステップ4:最も適切な行動はどう選ぶ?
例題:4つのステップを1問に当てはめると?
(当サイトの独自の例題)物流システムの刷新を、ハイブリッドで進めています。倉庫の機器の導入は予測型、画面はスプリントで開発しています。
3回目のスプリントレビューで、倉庫の現場リーダーが「出荷の画面は入力が二度手間だ」と指摘しました。プロダクトオーナーは、この指摘をすでにバックログに加えています。PMが次に行うべきことは、次のどれでしょうか。
- A:変更要求を作成し、変更管理委員会に提出する
- B:指摘をバックログに加えるよう、プロダクトオーナーに頼む
- C:現場リーダーとプロダクトオーナーが、二度手間の中身を詰める場を設ける
- D:今のスプリントを止め、画面をすぐ直すようチームに指示する
| ステップ | 問題文から拾うこと | この例題では |
|---|---|---|
| ①問い | 最後の一文の形 | 「次に」:済んだ行動の一つ後 |
| ②アプローチ | 問われている部分の進め方 | 画面はスプリント=アジャイル |
| ③段階 | どこまで済んでいるか | 指摘はバックログに追加済み |
| ④選択肢 | 消して、残りを比べる | Aは進め方違い、Bは済んだこと、Dは極端。残るのはC |
正解はCです。バックログに入った指摘は、プロダクトオーナーが優先順位を付けます。そのためには、二度手間の中身が具体的になっている必要があります。PMは、現場リーダーとプロダクトオーナーが話し合える場をつくり、判断を支えます。
もし指摘が「倉庫の機器の配置を変えたい」だったら、問われている部分は予測型です。今度はAの変更管理が候補になります。同じ問題文でも、ステップ2で見る部分が変われば正解が変わります。
状況問題でよくある失敗は?
手順を知っていても、次の読み違いで落とすことがあります。
- 書かれていない事情を足す。「たぶん予算はある」「上司は反対するだろう」とは考えず、問題文の事実だけで判断します。
- 「すでに」「承認された」を読み落とす。済んだ行動を、もう一度選んでしまいます。
- リスクと課題を取り違える。まだ起きていなければリスク、起きていれば課題です。使う文書も行動も変わります。
- 誰の行動を問うかを読み違える。問いがPMの行動を聞いているのか、チームの行動を聞いているのかを確かめます。
2026年からのケース問題でも、手順は同じです。違うのは、制約が長い本文のあちこちに散らばっている点です。小問ごとに本文へ戻り、制約を拾います。詳しくはケーススタディ問題の解き方にあります。
確認問題1
影響の分析が済んだ後の一手
(当サイトの独自問題)予測型の建設プロジェクトで、施主が外装材の変更を求めてきた。プロジェクト・マネジャーはチームと影響を分析し、コストが5%増え、工期が3週間延びることがわかった。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:4。影響の分析はすでに済んでいます。次は分析結果を付けて変更要求を出し、承認の手順に乗せます。
1:済んだ行動を繰り返しています。2:断る権限はPMにありません。判断するのは手順で決めた人です。3:承認の前に実行しています。
確認問題2
計画段階で抜けていたこと
(当サイトの独自問題)システム導入プロジェクトの終盤、経理部門から強い指摘があった。「新しいシステムでは月次の締め処理ができない」という。経理部門は、これまでプロジェクトの会議に一度も呼ばれていなかった。この問題を防ぐために、プロジェクト・マネジャーは何をすべきだったか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
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正解:2。「何をすべきだったか」は、過去の段階で抜けていた行動を問います。経理部門が一度も関わっていないのは、ステークホルダーの特定と分析が足りなかったからです。
1:見つかる時期が少し早まるだけで、原因に手を打っていません。3:要望を無条件に受けると、スコープを管理できません。4:関わってもらわないまま、説得だけを頼んでいます。
確認問題3
スプリントの途中に来た要望
(当サイトの独自問題)アジャイルのチームが、2週間のスプリントの3日目にいる。顧客から、2か月後の展示会に向けて新しいデモ機能がほしいと連絡があった。プロダクトオーナーも価値の高い機能だと考えている。プロジェクト・マネジャーが最も適切に行うことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
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正解:1。スプリントの途中では、スプリントのゴールを守るのが原則です。価値の高い要望でも、プロダクトオーナーがバックログに加えて優先順位を付け、次のスプリントの計画で扱います。2か月後の展示会なら、次のスプリント以降でも間に合います。
2:スプリントの中止は極端で、判断するのもPMではありません。3:持続可能なペースを崩しています。4:予測型の手順をアジャイルに当てはめています。