なぜ「まず何をすべきか」と問われるの?
PMPは、状況に応じて正しい判断ができるかを測る試験だからです。ECO 2026も、概念と経験を実際の場面に当てはめる力を問うと説明しています。判断力を測るには、正しい行動を並べて順番を問う形が向いています。
このため「まず」問題では、4つの選択肢がどれも実務でありえる行動になっています。「どれが正しいか」で考えると、全部正しく見えて迷います。「この中で最初にやるのはどれか」と問い直すのが出発点です。状況問題の全体の解き方は状況問題の解き方にまとめています。
最初の一手の基本の順番は?
当サイトでは、多くの「まず」問題を次の順番で整理できると考えています。
- 1
事実を確認・分析する
何が起きたか、影響はどれくらいか
- 2
当事者と直接話す
本人・担当者から事情を聞く
- 3
計画・手順に沿って対応
登録簿の対応策、変更管理、契約の条項
- 4
必要なら上に上げる
権限やしきい値を超えるとき
状況の中ですでに済んだ段階を飛ばし、その次の段階を選びます。
当サイトの整理。倫理や安全に関わる問題では、この順番より優先する行動があります。
大切なのは、状況の中でどこまで済んでいるかを読むことです。「影響を分析したところ」と書かれていれば、分析はもう終わっています。そこで「影響を分析する」を選ぶと誤りです。
「まず」と「次に」はどう見分ける?
「まず」は最初の段階を、「次に」は状況に書かれた行動の一つ後を問います。同じ変更の依頼でも、どこまで済んでいるかで正解が変わります。
| 状況に書かれていること | 正解になる行動 |
|---|---|
| 顧客から変更の依頼が来た | 影響を分析する |
| 影響を分析し、3週間の遅れがわかった | 変更要求を出し、決めた承認者に諮る |
| 変更管理委員会が承認した | 変更を実施し、ベースラインと文書を更新する |
| 変更管理委員会が却下した | 依頼した人に、結果と理由を伝える |
「次に」の問いで、済んだ段階をもう一度選ぶのは典型的な誤答です。状況の文の中から「〜したところ」「〜がわかった」「承認された」など、済んだことを示す語を探します。
なぜ分析・確認が先で、行動は後なの?
原因や影響がわからないまま動くと、的外れな対策になるからです。「まず」問題の典型的な誤答は、良さそうな対策をいきなり実行する選択肢です。
たとえば「顧客が成果物に不満を示した」とあれば、すぐに作り直すのではなく、まず何が要求と違うのかを確かめます。「メンバーの生産性が落ちた」とあれば、研修を手配する前に原因を確かめます。技能なのか、作業の割り当てなのか、私生活なのかです。
ただし、分析ばかりを選べばよいわけではありません。安全に関わる事故や、法令違反が明らかな場面では、まず止める・守ることが先です。こうした例外は倫理問題の解き方でも扱っています。
当事者と直接話すのが先になるのはどんなとき?
人に関わる問題は、ほぼすべてが当てはまります。メンバーの遅刻や態度、対立、ステークホルダーの不満、仕入先の遅れなどです。
- メンバーが期限を守らない:上司に報告する前に、本人と1対1で話して事情を聞く。
- 2人のメンバーが対立している:2人と話し合い、合意できる解決策を探す。
- ステークホルダーが会議で反対した:会議の後に個別に話し、懸念の中身を聞く。
- 仕入先の納品が遅れている:契約の条項を確認したうえで、仕入先と直接話す。
当事者と話す前に、上司・人事・スポンサーに上げる選択肢は、ほとんどの場合「まだ早い」誤答です。上に上げるのが正解になる条件はエスカレーションの判断基準で整理しています。
計画書や登録簿を確認するのはどんな場面?
すでに決めてあることがあるはずの場面です。PMPでは、計画段階で作った文書を使うことが正しい行動とされます。
| 場面 | まず確かめる文書 |
|---|---|
| 特定済みのリスクが現実になった | リスク登録簿(対応策と担当者) |
| 誰に何を報告すべきか迷う | コミュニケーション・マネジメント計画 |
| 新しいステークホルダーが加わった | ステークホルダー登録簿・関与度の評価 |
| 仕入先が約束を守らない | 契約書(条項・ペナルティ・紛争解決の手順) |
| メンバーの役割があいまい | 責任分担表(RACIなど)・資源マネジメント計画 |
| チームのルールが守られない | チーム憲章・グランドルール |
アジャイルの問題でも同じ考え方が使えます。完了の定義(DoD)、チームの作業合意、プロダクトバックログなどが「すでに決めてあること」です。
「まず」問題でよくある誤答は?
確認問題1
新しく加わったステークホルダー
(当サイトの独自問題)実行中のプロジェクトで、組織再編により、新しい部門長が成果物の受け入れ責任者になった。この部門長は、これまでプロジェクトと関わっていない。プロジェクト・マネジャーがまず行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:3。新しいステークホルダーが加わったら、まず登録簿に加えて、期待・関心・影響力を分析します。関わり方は、その分析をもとに決めます。
1:分析の前に、決まった配布先に機械的に加えています。2:自分で関わる前に、他人に任せる形です。4:期待もわからないうちに、受入基準の合意という大きな行動に進んでいます。
確認問題2
メンバーの作業の質が落ちた
(当サイトの独自問題)これまで質の高い成果を出していたメンバーの作業に、ここ数週間で手戻りが増えている。チームの他のメンバーからも、心配する声が出ている。プロジェクト・マネジャーがまず行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:4。急に質が落ちたなら、技能の問題とは限りません。まず本人と話し、作業量・環境・私生活など、何が起きているのかを確かめます。
1:記録して様子を見るだけで、本人への働きかけがありません。2:本人と話す前に、上司から事情を聞こうとしています。3:原因が技能だと決めつけています。
確認問題3
特定済みのリスクが現実になった
(当サイトの独自問題)海外の拠点と進めるプロジェクトで、現地の祝日が重なり、2週間ほど作業が止まることがわかった。このリスクは計画段階で特定され、対応策と担当者が決まっていた。プロジェクト・マネジャーがまず行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:2。特定済みのリスクなので、まず登録簿で決めた対応策と担当者(リスク・オーナー)を確かめ、その人に実行してもらいます。
1:計画した対応策を試す前に、報告に進んでいます。3:決めてある対応策を使わずに、一から考えています。4:ベースラインの変更は、対応策でも吸収できないとわかってからです。