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PMPの倫理問題の解き方|行動規範の4つの価値と典型的な場面【2025年改訂】

PMP試験の倫理に関わる状況問題の解き方。PMIの倫理・職業行動規範(2025年改訂)の4つの価値、利益相反と贈答、報告の改ざんへの対応、受験者自身が守る規則を確認問題3問で確かめられます。

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約8分
執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • PMIの倫理・職業行動規範は、責任・尊重・公正・誠実の4つの価値が土台です。改訂版は2025年11月17日から有効で、受験の申請者も守る対象です。
  • 倫理の問題では、納期・コスト・顧客の要望より倫理と法令が優先します。「まず分析」より先に、止める・断る・報告する行動が正解になることがあります。
  • 利益相反は開示して判断から外れる、贈答は規程と法令に従う、数字の改ざんや隠ぺいには加わらず事実を報告する、が基本です。
  • 受験者自身にも規則があります。試験の問題の中身を人に話すことは、申請時に同意した規約に反するおそれがあります。

PMIの倫理・職業行動規範とは?

PMIは「Code of Ethics and Professional Conduct(倫理・職業行動規範)」を定めています。日本語では「倫理・職務規定」と訳されることもあります。

PMIの倫理のページによると、改訂版は2025年11月17日から有効です。守る対象は、PMIの会員、資格保持者、資格の申請者、ボランティアです。PMPを受験する人も含まれます。

規範は4つの価値ごとに、理想の基準と必須の基準を分けています。理想の基準は目指す行動、必須の基準は守らなければならない行動です。必須の基準に反すると、PMIの倫理審査委員会による懲戒の手続きの対象になります。

ECO 2026でも、倫理はガバナンスの一部です。Business EnvironmentのTask 1は、規則・手順・報告・倫理・方針などを定めることを挙げています。

責任・尊重・公正・誠実の4つの価値とは?

規範は、責任(responsibility)・尊重(respect)・公正(fairness)・誠実(honesty)の4つを土台にしています。それぞれの意味と、試験での場面を整理します。

4つの価値と、試験での典型的な場面(規範をもとに当サイトが整理)
価値考え方の要点試験での場面の例
責任自分の判断と行動に、しなかったことも含めて責任を持つ自分の誤りを認めて報告する、能力を超える仕事は正直に伝える
尊重自分・他者・預かった資源(人・お金・安全・環境など)を大切にする対立は当事者と直接話す、他者の知的財産やデータを勝手に使わない
公正私利・偏見・えこひいきなく、公平に判断する知人の会社を仕入先に選ぶ、個人的な利益が絡む判断
誠実真実を理解し、言葉と行動で正直にふるまう進捗や品質の数字を正しく伝える、都合の悪い情報を隠さない

改訂版には、AIを含む技術を責任を持って使うことや、社会・安全・環境の利益を考えて判断することも書かれています。善意で倫理の懸念を伝えた人に報復しないことも、必須の基準です。

4つの価値は、選択肢を消すときの物差しになります。「数字を整える」「黙っておく」「知人を優遇する」といった選択肢は、どれかの価値に反するので外せます。

利益相反と贈答はどう扱う?

利益相反とは、プロジェクト・マネジャー(PM)としての判断に、自分や身内の個人的な利益が絡む状態です。たとえば、仕入先の候補に家族が勤める会社が入っている場合です。

規範の必須の基準では、実際の利益相反も、そのおそれがあるものも、関係者に進んで開示します。そのうえで、開示を受けた側が対策を承認し、同意するまでは、判断に加わりません。

隠したまま「公正に選ぶから問題ない」と考えるのは誤りです。規範は、自分では公正に判断できると思っても、利益相反に見える状態は利益相反として扱うとしています。

贈答や接待は、組織の規程と、その国の法令に従います。規程を超えるものや、判断に影響しかねないもの(契約の判断の前の高価な贈り物など)は受け取りません。規程がわからなければ、受け取る前に確かめます。

報告の改ざんや隠ぺいを求められたら?

PMPの中でも、答えがはっきり決まる場面です。上司や顧客に頼まれても、改ざん・隠ぺいには加わりません。

規範は、うそだけでなく、半分だけの事実や、誤解を招くように情報を伏せることも、欺く行為として禁じています。

改ざんや隠ぺいを求められたときの行動
  1. 1

    応じない

    数字の書き換えや情報の削除に加わらない

  2. 2

    事実を確かめる

    実際の状況とデータを確認する

  3. 3

    正しく報告する

    決められた経路で、事実どおりに伝える

  4. 4

    必要なら上に上げる

    組織の倫理・順守の窓口や上位者へ

倫理の問題では、納期やコストより、事実を正しく伝えることが優先します。

当サイトの整理です。

似た場面として、品質の検査を省くよう求められる、安全基準を満たさないまま出荷を急がされる、といったものがあります。どちらも、規則と安全を守ったうえで、遅れや影響を正直に報告して判断してもらうのが正しい行動です。

予測型のプロジェクトでは、遅れを隠したまま計画どおりと報告する選択肢は、誤答の典型です。進捗の扱いは予測型の問題の考え方でも扱っています。

倫理問題の典型例と、例外の考え方は?

倫理の問題では、他の問題で使う原則と順番が変わることがあります。

  • 安全や法令違反が明らかなとき:「まず分析」より先に、作業を止める・報告する。
  • 他の人の違反に気付いたとき:黙認せず、事実を確かめたうえで、決められた窓口や上位者に伝える。事実に基づかない申し立てはしない。
  • 文化の違い:相手の習慣は尊重するが、法令や規程に反することはしない。
  • 自分の誤り:隠さずに認めて報告し、影響を抑える。
  • 能力を超える依頼:引き受けられないことを正直に伝える。

AIの利用でも、機密情報の扱いや結果の説明で、責任と誠実が問われます(AI関連問題の考え方)。倫理の価値がPMIの考え方全体の土台になっていることは、PMIイズムとはで扱っています。倫理の場面を含む問題を本番の形式で解くなら、無料模試30問が使えます。

受験者自身が守る倫理は?

倫理は、試験の中身だけの話ではありません。PMPの申請者として、受験者自身も守る規則があります。PMIのハンドブック(2026年6月改訂版)から、要点をまとめます。

  • 試験の問題の中身を話さない。受験後に問題について話すことは、申請時に同意した規約に反するおそれがあり、資格の取り消しなどにつながりえます。
  • 不正に気付いたら報告する。会員・資格保持者・受験者は、PMIの規則への違反を報告するよう求められています。
  • 申請の内容を正直に書く。申請は監査の対象になることがあります。経験や研修の記録は、事実どおりに書きます。

「過去問」「本番の再現」をうたう問題を使わないほうがよいのも、このためです。

確認問題1

家族が勤める会社が入札に参加した

(当サイトの独自問題)プロジェクト・マネジャーは、部品の仕入先を選ぶ評価チームの責任者を務めている。入札に参加した会社の1つに、自分の兄が営業部長として勤めていることがわかった。プロジェクト・マネジャーが行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。利益相反があるときは、事実を開示して判断から外れます。開示を受けた側が対策を決めて同意するまで、選定に加わりません。公正さを自分で保証することはできません。

1:基準を曲げており、逆の意味で公正ではありません。2:開示していません。4:入札の手続きに私的に介入しています。

確認問題2

進捗の数字を良く見せるよう頼まれた

(当サイトの独自問題)月次の運営委員会(ステアリング・コミッティ)の前日、上司から頼まれた。「今月の遅れは来月取り戻せるはずだ。報告では計画どおりと書いておいてほしい」。実際には、重要なマイルストーンが2週間遅れている。プロジェクト・マネジャーが行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。上司の指示でも、事実と違う報告はしません。遅れを正しく伝え、取り戻す計画を一緒に示すことで、運営委員会に適切な判断をしてもらえます。

1:虚偽の報告です。2:重要な事実を伏せており、誤解を招きます。3:報告の責任から逃げています。

確認問題3

海外の取引先からの贈り物

(当サイトの独自問題)海外の仕入先を訪問したプロジェクト・マネジャーに、仕入先の社長が高価な腕時計を贈ろうとした。現地では、取引先に贈り物をする習慣がある。来月、この仕入先との契約の更新を判断する予定である。プロジェクト・マネジャーが行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。文化は尊重しますが、契約の判断を控えた時期の高価な贈り物は、判断の公正さを疑われます。丁寧に断り、組織の規程に沿って報告します。

2:習慣を理由に、来月契約の更新を判断する相手から高価な贈り物を受けており、判断の公正さを疑われます。3:影響させないと自分で決めても、公正さへの疑いは消えません。4:受け取ったこと自体の問題が解決していません。

よくある質問

PMIの倫理・職業行動規範は受験者も守る必要がありますか?

はい。規範とPMIのハンドブックによると、PMIの会員、資格保持者、資格の申請者、ボランティアは規範を守らなければなりません。PMPの受験を申請した人も対象です。

倫理・職業行動規範は改訂されましたか?

はい。PMIの倫理のページによると、改訂版は2025年11月17日から有効です。責任・尊重・公正・誠実の4つの価値は変わっていません。

倫理の問題でも「まず分析」が正解ですか?

多くの場合は事実を確かめることが先です。ただし、安全に関わる危険や明らかな法令違反があるときは、作業を止める・報告するといった行動が先になります。改ざんや隠ぺいを求められた場合は、分析を待たずに断ります。

出典・参考

  1. [1]PMI: Ethics Guidelines(PMI Code of Ethics and Professional Conduct)
  2. [2]PMI: Code of Ethics and Professional Conduct(PDF)
  3. [3]PMI: Certification Handbook(PDF)
  4. [4]PMI: PMP Examination Content Outline – July 2026(PDF)

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