PMPの選択肢はどう絞ればいい?
結論は「消す」と「比べる」の2段階です。まず、明らかに外せる選択肢を1〜2個消します。次に、残った2つを決まった順番の基準で比べます。
1段目は多くの受験者ができます。点差がつくのは2段目です。この記事では、2段目の比べ方を中心に説明します。
| 特徴 | 選択肢の例 |
|---|---|
| 倫理・法令・規程に反する | 報告の数字を調整する、検査を省く |
| 何もしない・先送りする | 様子を見る、次のフェーズで考える |
| 極端で取り返しがつかない | メンバーを外す、プロジェクトを中止する |
| 責任を他人に押し付ける | 仕入先のせいだと顧客に説明して終える |
| 手順を飛ばす | 承認の前に変更を実行する |
| 問題文にない条件が要る | 予算に余裕があるはずと考えて人を増やす |
| 絶対表現 | 必ず、すべて、二度と〜しない |
ただし、絶対表現があれば必ず誤り、とは限りません。「法令は必ず守る」のように、正解に入ることもあります。表は消す候補を探す目安として使います。
「間違いではない」と「最も適切」はどう違う?
PMPの問いは、プロジェクト・マネジャー(PM)が「最も適切に」「まず」何をするかを聞きます。正しい行動が複数あることが前提です。
たとえば、メンバーどうしが対立しているとします。「当事者と話す」も「グランドルールを見直す」も、正しい行動です。
ただ、対立が今まさに起きているなら、先にやるのは当事者との対話です。グランドルール(チームで決めた行動の約束)の見直しは、その後の再発防止に役立ちます。
2択で迷ったら、「どちらが正しいか」ではなく「どちらを先に、より優先してやるか」と問い直してください。
最後の2択は何の順で比べる?
当サイトでは、次の4つの基準をこの順で当てることをすすめています。上の基準で差がつけば、下は見ません。
- 1
段階
今やるべきなのはどちらか。分析・確認や当事者との対話が先
- 2
根本
症状を抑えるだけか、原因に手を打つか
- 3
主語
その行動をするのはPMか、プロダクトオーナー・チーム・スポンサーか
- 4
価値
顧客や事業の成果につながるのはどちらか
段階が同じなら、より根本に効き、役割に合い、価値につながる行動を選びます。
当サイトの整理です。
「段階」は問いの形とセットで見ます。「まず」と聞かれたら、分析や当事者との対話が先に来やすくなります。「次に」なら、問題文で済んだ行動の一つ後です。詳しくは最初にすべきことを選ぶ問題で扱っています。
「価値」は、2026年の新試験で意識したい基準です。ECO 2026は、計画どおりに終えるだけでなく、価値と成果まで含めて成功ととらえる考え方に沿っています。
例題:2択を4つの基準で絞るとどうなる?
(当サイトの独自の例題)予測型で進める社内システムの開発で、要求はすでに承認されています。定例会議で、営業部長が「この画面では現場が使えない」と強い不満を述べました。選択肢を絞ったところ、次の2つが残ったとします。
- A:営業部長と個別に会い、不満の中身と業務への影響を聞く
- B:変更要求を作成し、変更管理委員会に提出する
| 問題文の状況 | 正解 | 決め手 |
|---|---|---|
| 不満が出たばかり | A:個別に聞く | 中身が分からないうちは、聞くのが先 |
| 話し合って、変える点が具体的に決まった | B:変更要求を出す | 聞く段階は済んだ。次は手順に乗せる |
最初の基準「段階」で差がつきます。不満が出たばかりなら、何を変えるかがまだ分かりません。Bは正しい手順ですが、今は早すぎます。
一方、営業部長と話して変える点が決まっていれば、聞く段階は済んでいます。今度はBが正解です。同じ2つの選択肢でも、段階が一つ進むと正解が入れ替わるのがPMPの特徴です。
主語(誰がやるか)でどう判断する?
選択肢の行動そのものは正しくても、やる人が違えば誤りです。役割の線引きは、予測型とアジャイルで変わる点に注意します。
| 判断すること | 予測型 | アジャイル |
|---|---|---|
| 作業の優先順位 | 計画で決め、変えるときは変更管理を通す | プロダクトオーナーがバックログで決める |
| 見積もり | 作業する人の知見を集め、PMがまとめる | チームが自分たちで見積もる |
| 作業の割り当て | 資源の計画に沿ってPMが調整する | チームが自分たちで決める |
| スコープの変更 | 計画で決めた承認者(変更管理委員会など)が承認 | プロダクトオーナーが優先順位を付け直す |
| 中止・ビジネスケースの見直し | スポンサーやガバナンスが判断。PMは情報を出して提案 | 同じ |
迷ったら、選択肢の文に主語を補って読んでください。「PMが優先順位を決める」と読めた時点で、アジャイルの問題なら外せます。
メンバーの人事評価のように、機能部門のマネジャーの役割が大きいものもあります。役割の原則はPMPのマインドセット一覧ともつながっています。
やってはいけない絞り方は?
次の選び方は、当たることもあります。ただ、外れたときに理由が残らず、次に生きません。本番では避けます。
- 一番長い・詳しい選択肢を選ぶ。長さで正誤は決まりません。
- 専門用語が多い選択肢を選ぶ。用語が正しくても、今の段階に合わなければ誤りです。
- 自分の職場のやり方で選ぶ。試験はPMIの考え方で答えます(PMIイズムとは)。
- 問題文にない事情を足す。「予算に余裕があるはず」「上司は反対するはず」とは考えず、書かれた事実だけで判断します。
- 2択のまま考え込む。1問の平均は約80秒(240分÷180問)です。決めきれなければ一方を選んで印を付け、区画の最後に見直します。
訳語の細かい差で迷うときは、英語の原文で確かめる手もあります。PMIのハンドブック(2026年6月改訂版)によると、翻訳版の試験には問題を英語で表示するボタンがあります。
典型的な2択にはどんなものがある?
よくある2択と、選びやすい側の目安です。右の列は、答えが逆になる代表的な場面です。
| 2択 | 選びやすい側(理由) | 逆になる場面 |
|---|---|---|
| 当事者と話す/上司に報告する | 当事者と話す(まず自分で確かめる) | 権限やしきい値を超えている |
| 影響を分析する/変更要求を出す | 分析する(分析が先) | 問題文で分析が済んでいる |
| リスク登録簿を確認する/新しい対策を考える | 登録簿を確認する(計画済みの対応を使う) | 特定されていなかった事態 |
| チームに任せる/PMが指示する | チームに任せる(自己組織化を支える) | 安全や法令に関わる緊急時 |
| 研修で育てる/メンバーを交代する | 研修で育てる(交代は最後の手段) | 支援しても改善しない、規則違反 |
| 根本原因を探る/その場で対処する | 根本原因を探る(再発を防ぐ) | 顧客への被害を今すぐ止める必要がある |
表は目安です。問題文の制約で答えが逆になることがあるので、必ず状況に当てはめて確かめてください。全体の手順は状況問題の解き方にまとめています。
基準を覚えたら、無料模試30問の解説で、自分がどの基準を外したかを確かめると身に付きます。
確認問題1
遅れの報告を受けたときの2択
(当サイトの独自問題)予測型のプロジェクトで、チームリーダーから「担当の作業が5日遅れそうだ」と報告があった。この作業はクリティカルパス上にある。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:1。まず遅れの原因と全体への影響を確かめます。対策を選ぶのは、その後です。
2:影響を確かめる前に上に上げています。3:原因を確かめずに残業を指示しています。4:ファストトラッキング(順に行う作業を並行させて期間を縮める方法)は対策の候補ですが、分析の前に決めるのは早すぎます。
確認問題2
主語で差がつく2択
(当サイトの独自問題)アジャイルのチームで、スプリントプランニングの前に、開発者がプロジェクト・マネジャーに相談してきた。「優先度の高い機能Xは、バックログの下のほうにある機能Yがないと作れない」という。プロジェクト・マネジャーが行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
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正解:3。依存関係は大切な情報ですが、バックログの順番を決めるのはプロダクトオーナーです。PMは両者をつなぎ、判断に必要な情報が伝わるようにします。
1:順番を決める主語が違います。2:判断に必要な情報を止めています。4:自己組織化は作業の進め方をチームが決めることで、バックログの順番を変えることではありません。
確認問題3
価値で差がつく2択
(当サイトの独自問題)予測型で進めている販売管理システムの開発は、計画どおりに進んでいる。ところが競合が無料の類似サービスを始め、目玉の機能Xを使う見込みの顧客が大きく減ると営業部門が報告してきた。機能Xの開発予算は、まだ3割が残っている。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:4。計画どおりでも、成果物の価値が下がったなら見直しが要ります。影響を評価し、ビジネスケースを判断するスポンサーに見直しを提案します。止める場合は、その後に変更管理の手順を通します。
1:価値の変化を無視しています。2:開発を止める判断は、PMとチームだけではできません。3:競合の参入はすでに起きたことで、対応を先送りしています。