PMPの35時間研修とは?何が認められる?
35時間研修は、PMPの受験資格の一つです。PMPの出題範囲(ECO)に沿ったプロジェクトマネジメントの研修を、合計35時間以上受けている必要があります。学歴ごとの実務経験と、この研修の両方を満たして申請できます。
認められるかどうかは、学習の形と修了した時期で決まります。2026年12月1日にライブ講座のルールが変わるため、まず次の表で自分の研修を当てはめてください。
| 学習の形 | 2026年11月30日までに修了 | 2026年12月1日以降に修了 |
|---|---|---|
| オンデマンド講座(修了テストあり) | 数えられる | 数えられる(提供元を問わない) |
| ライブ講座:ATP・REP・認定を受けた大学などの課程 | 数えられる | 数えられる |
| ライブ講座:上記以外(社内研修・研修会社など) | 数えられる(今のルール) | 数えられない |
| 本・参考書・問題集・模試だけの学習 | 数えられない | 数えられない |
| プロジェクトマネジメント以外の研修(語学など) | 数えられない | 数えられない |
ATPは、PMIの認定研修パートナー(Authorized Training Partner)です。REPは中国の登録教育機関です。ライブ講座とは、講師が対面またはオンラインで、その場で教える講座のことです。
PMIの新試験のページには、2026年12月1日より前に修了した研修は、今の要件のまま認められると書かれています。社内研修や研修会社のライブ講座を数えたい人は、11月30日までに修了しておくのが確実です。11月に始まって12月に終わる講座は、修了日が12月以降になる点に注意してください。
提供元がATPかどうかは、PMIのATPの一覧で検索するか、提供元に直接たずねて確かめます。PMIもこの確かめ方を勧めています。
どんな中身なら研修として数えられる?
ECO(2026年版)には、研修の内容の例が挙がっています。スコープ、スケジュール、コミュニケーション、リスク、調達、財務、資源、ステークホルダー、統合、ガバナンスなどです。
1つの講座の一部だけがプロジェクトマネジメントを扱った場合は、その部分の時間だけを数えます。語学やビジネスマナーなど、プロジェクトマネジメント以外の研修は数えられません。
すべての研修は監査の対象です。PMIは、質が低いと判断した研修を認めない権利を持っています。ECOでは、合格の保証をうたう業者に注意するよう呼びかけています。受講の実態がなく修了証だけを出すような研修は、監査で認められないおそれがあります。
研修時間はどう数える?
数え方の基本は、授業1時間=研修1時間です。休憩や昼食の時間は入れません。複数の研修を足して35時間にしてもかまいません。
数える時間 = プロジェクトマネジメントを扱った授業の時間の合計
- 1大学の授業(2019年に受講):週2時間 × 14週 = 28時間(全部がプロジェクトマネジメント)
- 2会社のeラーニング(修了テストあり):全10時間のうち、プロジェクトマネジメントの章が4時間 → 4時間
- 3動画講座(修了テストあり):修了証に書かれた6時間
- 4合計:28 + 4 + 6 = 38時間(35時間を満たす)
受けた時期は問わない。一部だけ関係する講座は、関係する時間だけを数える。
時間数の根拠は、修了証、受講記録、シラバス(時間割)などです。修了証に時間数がない場合は、提供元が時間を証明する書面を出せるか、申請の前に確かめてください。
35時間ちょうどより、少し多めにしておくと安心です。一部の時間が認められなかったときにも、35時間を下回らずにすみます。
研修に有効期限はある?いつまでに受ける?
有効期限はありません。ECOには、研修時間は受けた時期にかかわらず記録するよう書かれています。実務経験の「過去10年以内」のような制限はなく、10年以上前の研修でも数えられます。
ただし、35時間は申請を出す前に終えておく必要があります。PMIのPMPページでも、研修は申請の提出前に修了しているものとされています。申請書には研修ごとに受講期間と時間数を入力するので、修了してから申請に進みましょう。
古い研修で気をつけるのは証明です。監査では研修ごとに修了証などが要ります。提供元がなくなっていると、証明が難しくなります。
どの研修を選べばいい?
選ぶときの軸は、費用、日数、12月以降も数えられるか、試験対策としての中身の4つです。
| 種類 | 良い点 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| ATPのライブ講座(対面・オンライン) | 質問しながら短期間で終えられる。12月以降も数えられる | 費用は高めになりやすい |
| オンデマンドの動画講座 | 費用を抑えやすく、自分のペースで進められる | 修了テストがあるか、修了証に時間数が載るかを確認 |
| ATP以外のライブ講座(社内研修・研修会社) | 社内なら費用がかからないことが多い | 2026年11月30日までに修了しないと数えられない |
| 大学などの授業 | 体系的に学べる。昔の授業も数えられる | 時間数を示す書類(シラバスなど)を用意する |
研修は、受験資格を満たす条件と、試験の勉強の両方を兼ねられます。新ECOの3領域や、ケーススタディ・図表問題を扱う講座を選びましょう。研修の時間が、そのまま試験対策になります。
価格帯ごとの比べ方はPMPの35時間研修の選び方で扱っています。
35時間研修でよくある失敗は?
申請や監査の段階で困りやすいのは、次のようなケースです。
- 動画を最後まで見たが、修了テストを受けておらず修了証が出ていない
- 修了証に時間数がなく、提供元にも記録が残っていない
- 社内研修の全時間を数えたが、半分は別のテーマだった
- 領収書や受講者名簿を証明に使おうとした(PMIは修了の証明として認めていない)
- 講座名を自分で英訳し、修了証の表記と合わなくなった
- 2026年12月以降に、ATP以外のライブ講座で35時間をそろえようとした
どれも、申請の前に修了証をそろえ、記載を見ながら入力すれば防げます。
申請書にはどう記入する?
申請書には研修の欄があり、研修ごとに次の情報を入力します。
- 研修(講座)の名前
- 提供元(研修会社、大学、勤務先など)の名前
- 受講の開始日と終了日
- 数えられる時間数(プロジェクトマネジメントを扱った時間)
入力した内容は、修了証の記載と一致させます。日本語の講座名は内容が伝わる英語にし、提供元の名前の表記もそろえます。
有効なCAPMを持つ人は、35時間の研修を記録する必要がありません。CAPMが35時間分とみなされます。ただし、学歴と実務経験の条件は別に満たす必要があります。GAC認定の学位課程を修了した人は、その課程の授業を35時間に充てられます。
申請の全体の流れはPMPの申請方法で、経験欄の書き方はPMP申請の経験の書き方で説明しています。
監査に備えて残しておく証明書類は?
監査に選ばれると、申請書に書いた研修ごとに、修了の証明を出す必要があります。申請の前に、次のものを1つのフォルダにまとめておくと安心です。
- 研修ごとの修了証(PDFや紙の写し)。氏名・講座名・受講期間・時間数が書かれたもの。
- 社内研修で修了証が出ていない場合は、研修の担当者・人事部門・上司が会社のレターヘッドで出す修了の証明書。
- 修了証に時間数がない場合は、提供元の証明書やシラバス。
- 日本語の修了証には、内容の英訳を書いた文書を添える。
監査の書類は、通知から90日以内にオンラインでアップロードします。複数ページの書類は1つのPDFにまとめます。ATPで受けた研修でも、PMIが代わりに修了証を取り寄せることはありません。自分で提供元に頼みます。
修了証の再発行に時間がかかる提供元もあります。監査で求められるほかの書類(卒業証明、経験の確認者の署名)はPMPの監査に当たったらで説明しています。
POINT
35時間の研修は、受験資格を満たすための条件です。研修を終えたら、本番の形式の問題で判断の練習を始めましょう。無料模試30問で、今の実力と苦手な領域を確かめられます。