PMP試験 2026年新形式 対応プロマネ模試
PMP STUDY GUIDEProcess(プロセス)の論点PMP

管理図の見方|管理限界・仕様限界と7の法則をPMP向けに解説

管理図(コントロールチャート)の見方を、管理限界と仕様限界の違い、7の法則、管理外のときの対応で解説。主な種類の早見表、図表問題を想定した読み取りの例、PMP新ECOでの位置づけ。確認問題3問つき。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • 管理図は、プロセスの測定値を時間順に並べ、ばらつきが安定しているか(管理状態か)を判断する図です。
  • 管理限界はプロセスの実績から計算した線(多くは平均±3σ)、仕様限界は顧客や要求事項が決めた合格の線です。2つは別物です。
  • 点が管理限界の外に出る、または平均の片側に7点以上続く(7の法則)と、プロセスは管理外と判断します。7の法則は経験則で、PMI が定めた決まりではありません。
  • 管理外なら、特別な原因を調べて取り除きます。管理内のばらつきに一つ一つ反応して調整するのは逆効果です。

管理図とは何か?

管理図(control chart)は、プロセスの測定値を時間の順に点で打ち、中心線と上下の管理限界の線と一緒に表した図です。部品の寸法、1日の処理件数、欠陥の数、作業の所要時間などを対象にします。

目的は、プロセスが安定しているかを判断することです。どんなプロセスにも、ある程度のばらつきはあります。管理図は、そのばらつきが「いつもの範囲」なのか、「何か特別なことが起きている」のかを見分ける道具です。前者を偶然の原因、後者を特別な原因(異常原因)によるばらつきと呼びます。

PMP では、品質管理の道具の1つとして扱います。2026年版の ECO の Process タスク7(品質)には、「品質のプロセスと道具を計画する」「品質のレビューを継続的に行う」があります。

さらに新形式の図表問題(グラフや図を読み取って答える問題)が加わりました。管理図は、図表問題で出やすい図の代表です。品質マネジメントの全体は品質マネジメントとは?を参照してください。

管理限界と仕様限界はどう違う?

管理図で最も大切で、最も混同されやすいのが、この2つの線です。架空の部品(目標の長さ50.0mm)で示します。

管理図の線の位置(架空の部品の長さ)
  1. 仕様上限 55.0mm顧客の要求。これを超えると不合格仕様
  2. 管理上限 53.0mmプロセスの実績から計算(平均+3σ)管理
  3. 中心線 50.0mm測定値の平均
  4. 管理下限 47.0mmプロセスの実績から計算(平均−3σ)管理
  5. 仕様下限 45.0mm顧客の要求。これを下回ると不合格仕様

架空の例(σ=1.0mm として、50.0±3.0)。仕様限界が管理限界の外側にある、望ましい状態

当サイトの整理
管理限界仕様限界
誰が決めるかプロセスの実績データから計算する顧客・要求事項・契約が決める
何を表すかプロセスの「いつものばらつき」の範囲成果物として合格できる範囲
よく使う値平均±3σ(標準偏差の3倍)要求に応じて決まる
外に出たらプロセスが管理外(特別な原因を調べる)その成果物は不合格(欠陥)

2つの線の関係で、プロセスの状態が分かります。上の例のように管理限界が仕様限界の内側にあれば、プロセスが安定している限り、ほぼすべてが合格します。

逆に、管理限界が仕様限界より外にあるなら、プロセスは安定していても、一定の割合で不合格品を出し続けます。この場合は、管理図の点に反応するのではなく、プロセスそのものの能力を高める改善が必要です。

7の法則とは?管理外と判断する条件は?

PMP の学習でよく使われる判断の目安は、次の2つです。

  1. 管理限界の外に点が出た:1点でも外に出たら、管理外と判断します。
  2. 7の法則(ルール・オブ・セブン):管理限界の中にあっても、平均(中心線)の片側に7点以上連続して並んだら、偶然とは考えにくいので、管理外と判断します。

7の法則の考え方は、コインを投げて7回続けて表が出る確率が低いのと同じです。プロセスが安定していれば、点は中心線の上下にばらばらに散るはずです。片側に偏り続けるのは、何かが変わった兆しです(材料の切り替え、機械の摩耗、担当者の交代など)。

注意したいのは、7の法則は経験則(目安)であり、PMI が数値を定めた決まりではないことです。統計的品質管理の判定ルールには、別の流儀もあります。たとえば米国立標準技術研究所(NIST)の統計ハンドブックが紹介するルールでは、片側に8点連続を目安にしています。6点続けて上がる・下がる傾向を見るルールもあります。

PMP の学習教材では「7点」が広く使われています。試験対策としては、まず「限界の外」と「片側に7点」の2つを確実に押さえてください。

POINT

よくある誤答:「点がすべて仕様の範囲内だから問題ない」「管理外なので、原因を調べる前に機械の設定を動かして中心に戻す」。前者は管理外の兆しを見逃し、後者は特別な原因を残したまま症状だけを消しています。判断の基準は仕様限界ではなく管理限界と点の並び方で、対応はまず原因の調査です。

管理図にはどんな種類がある?

管理図は、測るデータの種類で使い分けます。長さや時間のような計量値と、不良品や欠点の数のような計数値です。主なものを示します。

当サイトの整理。種類の説明は NIST の統計ハンドブックを参考にした
種類データ使う場面の例
Xバー-R 管理図・Xバー-s 管理図計量値(サンプルの平均と、範囲または標準偏差)1時間ごとに5個ずつ抜き取る部品の長さ
個々の値の管理図(X-Rs 管理図)計量値(1回に1つの値と、前の値との差)1日1回のビルドの所要時間
p 管理図計数値(不良品の割合)検査した製品のうち不良品の比率
c 管理図・u 管理図計数値(欠点の数)基板1枚のはんだ不良の数、1単位あたりの欠陥の数

PMP では、種類の名前より読み取りが中心です(当サイトの見立て)。どの管理図でも、「管理限界の外」と「中心線の片側に続く点」を見る考え方は同じです。

図表問題で管理図はどう出る?読み取りの例

新形式の図表問題では、管理図を見せて「プロセスの状態は?」「次に何をすべきか?」を問う形が考えられます。数値の例で、読み取りを練習します(管理上限53.0、中心線50.0、管理下限47.0、仕様は45.0〜55.0)。

架空のデータ
サンプル123456789101112
測定値(mm)49.650.349.850.450.650.250.850.550.350.750.149.7
中心線との関係下上下上上上上上上上上下

まず、管理限界の外の点を探します。すべて47.0〜53.0の中にあるので、外に出た点はありません。次に、中心線の片側に続く点を数えます。サンプル4〜11の8点が続けて中心線より上にあります。7点以上なので、7の法則により管理外と判断します。

このとき、すべての点は仕様の範囲(45.0〜55.0)にも入っているので、今の時点で不合格品は出ていません。それでも、プロセスに何らかの変化が起きている兆しなので、原因を調べる必要があります。「不合格品が無いから問題ない」と判断するのは誤りです。

他の図も含めた読み方の順番は、PMPの図表問題の読み方でまとめています。

管理外のときは何をする?

プロセスが管理外と判断したら、次の流れで対応します。

  • 特別な原因を調べる:その時期に何が変わったかを確かめます。特性要因図や、なぜを繰り返す分析で根本原因を探ります。
  • 原因を取り除く:材料の切り替えが原因なら元に戻す、機械の摩耗なら整備する、などです。必要なら変更の手続きを経ます。
  • 効果を確かめる:対策後のデータで、プロセスが管理状態に戻ったかを管理図で確かめます。
  • 記録し共有する:原因と対策を記録し、教訓として残します。品質の報告にも反映します。

逆に、管理状態にあるのに、点が少し動くたびに機械を調整するのは誤りです。偶然のばらつきに反応して調整すると、かえってばらつきが大きくなります。管理図の役目は、「反応すべき変化」と「反応すべきでない揺らぎ」を分けることです。

品質の状態は、状況報告の大事な材料でもあります。報告の作り方は進捗報告の書き方で扱います。管理外の兆しを放置すると、手直しや外部失敗のコストが膨らみます(品質コスト(CoQ)とは?)。図表を読み取る問題は、模試パックの本番形式模試にも収録しています。

確認問題1

限界の内側で片側に偏る

(当サイトの独自問題)部品の長さを管理図で監視しています。直近の測定値はすべて管理限界の内側にありますが、最後の8点が続けて中心線より下にあります。仕様の範囲を外れた部品はまだありません。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。中心線の片側に7点以上続いているので、7の法則によりプロセスは管理外です。不合格品が出る前に、特別な原因を調べて取り除きます。

1:仕様内でも、プロセスの変化の兆しを見逃しています。3:都合よく限界を広げると、管理図の意味がなくなります。4:原因を調べる前に調整しており、順番が逆です。原因の手がかりも消えてしまいます。

確認問題2

安定しているが不合格品が出る

(当サイトの独自問題)ある工程の管理図では、点はすべて管理限界の内側にあり、中心線の上下にばらばらに散っています。しかし、管理上限は顧客の仕様上限より外側にあり、毎月一定の割合で不合格品が出ています。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。プロセスは管理状態(安定)ですが、その能力が仕様を満たしていません。偶然のばらつきそのものを小さくする改善(設備・材料・手順の見直し)が必要です。

2:管理状態のばらつきは偶然の原因によるもので、作業者個人の問題ではありません。3:顧客の要求を変える前に、自分たちのプロセスを改善します。4:検査で除くことはできても、不合格品を作り続ける費用は減りません。

確認問題3

管理限界の外に1点

(当サイトの独自問題)ソフトウェアのビルドにかかる時間を管理図で監視しています。昨日のビルドの時間が管理上限を超えました。他の日はすべて管理限界の内側で、偏りもありません。チームの一人は「1回だけなので様子を見よう」と言っています。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。1点でも管理限界の外に出たら、管理外です。その日に何が変わったか(設定の変更、サーバーの負荷など)を調べ、特別な原因があれば取り除きます。

1:管理外のサインを見逃しています。2:原因を調べずに、対象そのものを変えています。4:原因を調べずに点を除くと、問題の手がかりを捨てることになります。

よくある質問

管理限界と仕様限界はどちらが外側にあるべきですか?

仕様限界が管理限界より外側にあるのが望ましい状態です。プロセスが安定している限り、ほぼすべての成果物が合格します。管理限界のほうが外側なら、安定していても不合格品が出続けるので、プロセスの改善が必要です。

7の法則とは何ですか?

管理限界の内側にあっても、中心線の片側に7点以上続けて並んだら、偶然とは考えにくいのでプロセスは管理外と判断する目安です。PMI が定めた決まりではなく経験則ですが、PMP の学習でよく使われます。

管理限界はどうやって決めますか?

プロセスの実績データから計算します。平均から標準偏差の3倍(±3σ)の位置に引くのが一般的です。顧客が決める仕様限界とは別物です。

管理図にはどんな種類がありますか?

長さや時間などの計量値には、Xバー-R 管理図や個々の値の管理図を使います。不良品の割合や欠点の数などの計数値には、p 管理図や c 管理図などを使います。PMP では、種類より読み取りが中心です。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline – 2026(PDF)
  2. [2]PMI: The Standard for Project Management and PMBOK Guide
  3. [3]NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods: What are Variables Control Charts?
  4. [4]NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods: What are Attributes Control Charts?

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