PMP試験 2026年新形式 対応プロマネ模試
PMP STUDY GUIDEProcess(プロセス)の論点PMP

品質マネジメントとは?計画・品質保証・品質管理の違いをPMPで整理

プロジェクトの品質マネジメントを、PMBOK第6版の3つのプロセスと新ECO(2026年版)Processタスク7で整理。品質保証と品質管理の違い、QC道具の使い分け、旧版から増えた項目、確認問題3問つき。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • 品質マネジメントは、品質を計画し、プロセスで作り込み(品質保証)、成果物を確かめる(品質管理)流れです。
  • 品質保証は「作り方」が正しいかを見て欠陥を防ぐ活動、品質管理は「作ったもの」が基準を満たすかを確かめる活動です。
  • 新ECO(2026年版)のタスク7は、イネーブラーが7つに増えました。規制の順守、品質コスト(CoQ)とサステナビリティ、継続的改善まで含みます。
  • PMPの基本は「検査より予防」です。品質は検査で作るのではなく、計画とプロセスで作り込みます。

品質マネジメントとは?品質とグレードはどう違う?

品質(quality)は、成果物の特性が要求事項をどれだけ満たしているかの度合いです。品質マネジメントは、その度合いを計画どおりに確保するための活動の全体を指します。

似た言葉にグレード(等級)があります。グレードは、機能や特性の多さ・豪華さの区分です。機能の少ない低グレードの製品でも、欠陥がなく要求どおりなら、品質は高いと言えます。低い品質(欠陥が多い)は問題ですが、低いグレードは要求に合っていれば問題ではありません。

同じ理由で、頼まれていない機能を勝手に足すことも、品質を上げたことにはなりません。要求どおりに作ることが、品質の出発点です。

新ECOのタスク7は何を求める?旧版から何が増えた?

2026年版の ECO では、Process タスク7「成果物の品質を計画し最適化する」に7つのイネーブラーがあります。2021年版の品質のタスクは3つだったので、範囲が大きく広がりました。当サイトの要約で比べます。

PMI の ECO(2026年版・2021年版)の Process タスク7を当サイトで要約して比較。原文は出典の PDF を参照
イネーブラー(要約)2021年版との比較
成果物の品質要求事項を集める旧版の「必要な品質基準を決める」に近い
品質のプロセスと道具を計画する新しく明記
品質マネジメント計画を実行する新しく明記
規制の順守を確実にする新しく明記(旧版では Business Environment のコンプライアンスで扱っていた)
品質コスト(CoQ)とサステナビリティを管理する新しく明記
品質のレビューを継続的に行う旧版の「成果物の品質を継続的に調べる」に近い
継続的改善を実施する旧版の「品質のギャップから改善案を出す」に近い

PMBOKの3つのプロセスとは?

PMBOK ガイド第6版は、品質マネジメントを3つのプロセスで説明していました。旧来の教材の多くも、この3つで整理しています。

プロセス名は PMBOK第6版。内容の説明は当サイトの整理
PMBOK第6版のプロセス何をするか主な成果
品質マネジメントの計画品質の基準と、それを確かめる方法を決める品質マネジメント計画書、品質尺度
品質のマネジメント(品質保証)計画したプロセスが守られ、効いているかを見て改善する品質報告書、プロセスの改善
品質のコントロール(品質管理)成果物を検査・測定し、基準を満たすか確かめる検証済みの成果物、測定の結果

新ECOの7つのイネーブラーは、この3つの流れに、規制・費用・環境・改善の観点を足したものと考えると整理しやすくなります。

品質要求事項はどう集める?

品質の基準は、プロジェクト・マネジャーが勝手に決めるものではありません。顧客・利用者・規制・組織の方針から集めます。

  • 顧客・利用者の期待:応答の速さ、誤りの少なさ、使いやすさなど。測れる形にする(例:画面の表示は2秒以内)。
  • 規制・業界の基準:安全基準、個人情報の保護、アクセシビリティなど、守らなければならないもの。
  • 組織の品質方針と標準:社内の設計基準、検査の手順、過去の教訓。
  • 運用・保守の要求:保守のしやすさ、障害時の復旧時間など、引き渡した後に効いてくるもの。

集めた要求は、測定の方法と合格の基準(品質尺度)を決めて、品質マネジメント計画に書きます。受入基準と結びつけておくと、成果物を受け入れてもらう場面で役立ちます。受け入れの流れはスコープの妥当性確認と品質管理の違いで扱います。

品質保証と品質管理の違いは?

試験で最も混同されやすいのが、この2つです。

品質保証(QA)と品質管理(QC)

品質保証(品質のマネジメント)

  • 見る対象プロセス(作り方)
  • 問い正しい作り方をしているか
  • 主な活動プロセスの監査、手順の改善、教育
  • 時期実行の段階を通して
  • 目的欠陥を予防する

品質管理

  • 見る対象成果物(作ったもの)
  • 問い基準を満たしているか
  • 主な活動検査、試験、レビュー、管理図
  • 時期成果物ができたとき
  • 目的欠陥を見つける

当サイトの整理。PMBOK の第6版では品質保証の活動を「品質のマネジメント(Manage Quality)」と呼ぶ

例で考えます。ソフトウェア開発で、コードレビューの手順が守られているかを監査し、守られていなければ手順や教育を見直すのは品質保証です。完成した機能を試験して、欠陥を見つけるのは品質管理です。

どちらも大事ですが、PMP では予防は検査に勝るという考え方が基本です。欠陥を作ってから見つけて直すより、作らないようにプロセスを整えるほうが、費用も時間も小さく済みます。

品質管理の道具はどう使い分ける?

品質のデータを読むための道具は、目的で選びます。代表的なものを表にまとめます。

当サイトの整理。日本では「QC七つ道具」としてまとめて紹介されることが多い
道具何が分かるか使う場面の例
チェックシート欠陥の種類や件数を、その場で数えて記録する検査で見つかった不良の集計
パレート図どの原因が欠陥の大部分を占めるか対策の優先順位を決める
特性要因図結果に効いていそうな原因の洗い出し根本原因を探す
ヒストグラム測定値のばらつきの形処理時間や寸法のばらつきを見る
散布図2つの量の関係作業時間と欠陥数の関係を見る
管理図工程が安定しているか工程の異常を早く見つける

試験では、図表を読んで次の行動を選ぶ問題も出ます。たとえば、パレート図で上位の原因から対策する、管理図で異常の兆しがあれば原因を調べる、といった判断です。管理図の読み方は管理図の見方で詳しく解説しています。

規制の順守とサステナビリティはどう扱う?

新ECOは、品質のタスクに規制の順守とサステナビリティを明記しました。

規制の順守は、法律や業界の基準を満たすことです。満たさなければ、どれだけ使いやすくても成果物を引き渡せません。品質の計画の段階で、適用される規制を洗い出し、それを確かめる検査や記録を計画に入れます。規制の要求は、テーラリングで省くことはできません。

サステナビリティは、環境や社会への影響を品質の観点として扱うことです。たとえば、資材の再利用率、製造時のエネルギー使用量、廃棄物の量などを品質尺度に加えます。詳しくはサステナビリティの記事で扱います。

品質コスト(CoQ)とサステナビリティは、ECO で1つのイネーブラーにまとめられています。品質にかける費用と、長い目で見た環境・社会への影響を一緒に考えることを求めていると読めます。品質コストの分類と考え方は品質コスト(CoQ)とは?で解説しています。

継続的改善はどう進める?

品質マネジメントは、プロセスを少しずつ良くし続ける活動でもあります。代表的な考え方が PDCA(計画→実行→評価→改善)です。

PDCAで品質を改善する
  1. 1

    Plan(計画)

    改善の目標と方法を決める

  2. 2

    Do(実行)

    小さく試す

  3. 3

    Check(評価)

    データで効果を確かめる

  4. 4

    Act(改善)

    効果があれば標準にする

繰り返して少しずつ良くする

当サイトの整理

アジャイルでは、スプリントごとのレトロスペクティブ(振り返り)が継続的改善の場です。チームが自分たちのプロセスの課題を挙げ、次のスプリントで改善を試します。予測型でも、フェーズの区切りや定期的な品質レビューで同じことを行います。

改善の結果は教訓として記録し、組織の標準(組織のプロセス資産)にも反映すると、次のプロジェクトにも生きます。品質の判断問題は、タスク別ドリルの Process タスク7で練習できます。

確認問題1

欠陥が繰り返し見つかる

(当サイトの独自問題)システム開発の結合試験で、データの入力チェックに関する欠陥が、複数の機能で繰り返し見つかっています。そのたびに修正していますが、新しい機能でも同じ種類の欠陥が出ます。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:3。同じ種類の欠陥が繰り返し出るのは、作り方(プロセス)に原因がある兆しです。根本原因を分析し、設計の標準やレビューの手順を見直して予防します(品質保証の活動)。

1:検査を増やしても、欠陥は作られ続けます。2:個人の注意に頼っても、仕組みの問題は残ります。4:見つける力は上がりますが、作り込みを止める対策になっていません。

確認問題2

規制の要求が見落とされていた

(当サイトの独自問題)医療機関向けのシステム開発で、品質マネジメント計画を作っています。チームは、短い反復で進めるため、文書や記録を最小限にしたいと提案しています。ところが、このシステムには、操作の記録を一定期間保存し監査に提出する規制がかかります。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。規制の順守は、テーラリングで省けない品質要求です。必要な記録と検査を洗い出して計画に組み込み、反復型の進め方の中でどう満たすかをチームと考えます。

1:後からまとめて作る記録は、正確さを保てません。3:規制を満たすために、進め方そのものを捨てる必要はありません。4:成果物が規制を満たすことは、プロジェクトの品質の責任です。

確認問題3

スプリントレビューで繰り返し出る品質の指摘

(当サイトの独自問題)スクラムで開発中、スプリントレビューのたびに、利用者から「表示が遅い」という指摘が出ます。チームは機能の追加を優先しており、性能の改善はいつも後回しになっています。プロジェクト・マネジャー(サーバント・リーダー)として最も適切な対応はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。繰り返し出る品質の課題は、振り返りなどで原因と対策をチームと話し合う対象です。性能の基準を完了の定義(DoD)に加えれば、品質が作業のたびに作り込まれるようになります(予防の考え方)。

1:利用者の声を無視しています。2:話し合う形をとっても、計画と割当てをプロジェクト・マネジャーが決めており、チームの自己組織化を妨げます。3:優先順位を決めるのはプロダクトオーナーで、極端な対応でもあります。

よくある質問

品質保証と品質管理の違いを一言で言うと?

品質保証は、「作り方(プロセス)が正しいか」を見て欠陥を予防する活動です。品質管理は、「作ったもの(成果物)が基準を満たすか」を確かめて欠陥を見つける活動です。

品質とグレードの違いは何ですか?

品質は要求事項をどれだけ満たしているかの度合いで、グレードは機能や特性の多さ・豪華さの区分です。低いグレードは要求に合っていれば問題ありませんが、低い品質(欠陥が多い)は問題です。

アジャイルでは品質をどう管理しますか?

完了の定義(DoD)に品質の基準を入れ、作業のたびに満たすようにします。自動試験やレビューで早く欠陥を見つけ、振り返りでプロセスを改善し続けます。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline – 2026(PDF)
  2. [2]PMI: PMP Examination Content Outline – January 2021(PDF・旧版)
  3. [3]PMI: The Standard for Project Management and PMBOK Guide

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