PMPの合格点は公表されている?
公表されていません。PMIの資格ハンドブック(2026年6月改訂版)にも出題範囲の文書(ECO)にも、「何問正解すれば合格」という数字はありません。
ネットでは「合格ラインは61%」「60%台で受かった」「70%あれば安全」といった数字が見られます。どれも、PMIの現行の資料で確かめられる数字ではありません。模試や問題集の「合格ライン」も、作り手が決めた推定です。数字の違う模試を比べるときは、何にもとづく推定かを確かめてください。
合格点が出ないのは、合否の決め方が単純な割合の線引きではないためです。次の章で仕組みを説明します。合格率も公表されていない理由と、よく見る数字の出どころはPMPの合格率は公表されていないで整理しています。
合否はどう決まる?心理測定にもとづく判定とは
ハンドブックによると、PMIの試験の合格点は、心理測定(psychometric)の分析で決められます。PMIの試験は「基準にもとづく試験(criteria-based)」で、その職務に必要な水準に達したかで合否が決まります。PMPなら、経験のあるプロジェクト・マネジャーに求められる水準です。
PMIが公開しているスコアレポートの見本(旧試験のもの)には、もう少し具体的に書かれています。世界のプロジェクトの専門家が、合格に必要な正解の数を決めること。採点される問題は1問1点で、正解の合計が得点になること。この2点です。
PMIは新試験のページで、採点の方法は変わっていないと説明しています。合格の水準は、受験者の出来を見て後から割合で決めるものではありません。専門家が決めた基準に、自分の得点が届いたかどうかで決まります。
一般に、心理測定の手法では、出題される問題の組み合わせごとの難しさの違いも考えて基準を決めます。PMIは細かい方法を公表していませんが、合格点が一つの固定した数字で示されないのは、こうした決め方のためと考えられます。
- 1
専門家が基準を決める
合格に必要な正解の数
- 2
受験者が180問に答える
うち10問は採点されない
- 3
170問を採点
1問1点で合計
- 4
基準と比べる
届けば合格
- 5
評価を表示
全体と領域ごとに4段階
事前テスト10問は採点されない?
ECO(2026年版)によると、180問のうち10問は事前テスト(pretest)の問題です。得点には影響せず、将来の試験で使えるかを確かめるために入っています。旧試験では5問でした。
事前テストの問題は、試験の中にランダムに置かれています。どれが事前テストかは、受験者には分かりません。採点されるのは残りの170問で、合格の基準もこの170問の正解の数で判断されます。
「見慣れない問題は事前テストだろう」と決めつけるのは危険です。すべて採点されるものとして解きます。そのうえで、時間をかけすぎそうな問題は、いったん答えを選んで印を付け、先へ進みます。
| 区分 | 問題数 |
|---|---|
| 採点される問題 | 170問 |
| 採点されない事前テスト問題 | 10問 |
| 合計 | 180問 |
模試では何%を目指せばいい?
合格点が公表されていない以上、模試の目安も推定になります。当サイトでは、模試で70%を合格の目安にしています。PMIの公表値ではなく、当サイトの推定です。
70%を採点対象の170問に当てはめると、170 × 0.7 = 119問です。120問前後の正解を、安定して出せる状態を目指すイメージです。
目安の正解数 = 採点される問題数 × 目安の正答率
- 1採点される問題数:180問 − 事前テスト10問 = 170問
- 2目安の正答率:70%(当サイトの推定)
- 3170 × 0.7 = 119問
- 4模試180問なら:180 × 0.7 = 126問
初見の模試で7割前後を安定して取れるかが一つの目安。
当サイトの模試の結果は、全体と領域ごとに、本番と同じ4段階の名前で表示します。区切りは、正答率80%以上がAbove Target、70%以上がTargetです。55%以上はBelow Target、55%未満はNeeds Improvementとしています。PMIの基準ではなく、当サイトの推定です。
目安を見るときの注意点は3つです。1つめは、初めて解いた模試の点数で判断することです。解き直すと答えを覚えていて、点数が高く出ます。
2つめは、模試ごとの難しさの違いです。1回の点数で一喜一憂せず、複数の模試の傾向で判断してください。3つめは、ぎりぎりで満足しないことです。本番は緊張や疲れで、模試より点が下がることがあります。点数ごとの次の手はPMP模試の正答率は何%なら合格圏?で説明しています。
領域ごとのバランスはなぜ大事?
結果のレポートには、全体の合否に加えて、3領域ごとの評価が4段階で載ります。PMIの見本では、領域ごとの評価は、強い分野と弱い分野を知るための診断です。
合否は全体の得点で決まると読み取れますが、領域のバランスはやはり大切です。領域ごとの問題数が大きく違うためです。
| 領域 | 比率 | 問題数の目安 |
|---|---|---|
| People | 33% | 約56問 |
| Process | 41% | 約70問 |
| Business Environment | 26% | 約44問 |
たとえば、Business Environmentの正答率が50%だと、約44問のうち22問しか取れません。全体で119問(70%)に届かせるには、残りの97問をPeopleとProcessの合計約126問で取る必要があります。97 ÷ 126 で約77%です。苦手な領域を1つ残すと、ほかの領域で高い正答率が要ります。
新試験では、Business Environmentが26%に増えました。旧試験の教材で勉強した人は、この領域が手薄になりがちです。領域ごとの評価の読み方はPMPのスコアレポートの見方で説明しています。
本番中に合格ラインを気にする必要はある?
本番の試験中に「今、何問くらい正解しているか」を数えるのはやめましょう。数える方法はありませんし、気にするほど目の前の問題への集中が下がります。
PMPの問題は、どれも同じ1点です。難しい問題に時間をかけても、簡単な問題を落としては意味がありません。得点は正解の合計なので、分からない問題も、もっとも妥当と思う選択肢を選んでおきます。空欄だけは残さないようにします。
手応えがなくても、気にしすぎないことです。PMPの選択肢は、どれももっともらしく作られています。「全部の問題で迷った」と感じる人は多く、手応えと結果が一致しないことはよくあります。
試験が終わると、画面に暫定の結果が出ます。正式な結果は、試験日から10営業日以内にオンラインで確認できます。
合格ラインを意識した勉強の進め方は?
合格点が分からない試験では、「どこまでやれば十分か」が見えにくくなります。次の手順で、自分の位置を確かめながら進めるのがおすすめです。
- 最初に模試を1回解き、全体の正答率と領域ごとの評価を記録する。
- 最も評価の低い領域から、タスク単位で弱点を洗い出す。
- 弱点のタスクの問題を集中的に解き、間違えた理由を言葉にする。
- 別の模試を初見で解き、全体が7割前後で、各領域が大きく崩れていないかを確かめる。
- 本番と同じ180問・240分で通しで解き、時間内に終えられるかを確かめる。
難しさの考え方はPMPの難易度で扱っています。まずは今の位置を知るために、無料模試30問で全体の正答率と領域ごとの評価を確かめてみてください。