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フォワードパスとバックワードパスの計算|ES・EF・LS・LFの求め方

ES・EF・LS・LFを求めるフォワードパスとバックワードパスの手順を、5つの作業の例題で1つずつ計算。合流点は最大・分岐点は最小のルール、0始まりと1始まりの違い、よくある誤りと確認問題3問。

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執筆
プロマネ模試 編集部
まず結論

この記事の要点

  • フォワードパスは前から ES(最早開始)と EF(最早終了)を、バックワードパスは後ろから LF(最遅終了)と LS(最遅開始)を求めます。
  • 合流する作業の ES は先行の EF の「最大」、分岐する作業の LF は後続の LS の「最小」を取ります。
  • 0始まり(EF = ES + 期間)と1始まり(EF = ES + 期間 − 1)がありますが、フロートの値はどちらも同じです。
  • LS − ES(または LF − EF)がトータルフロートです。0の作業をつなぐとクリティカルパスになります。

ES・EF・LS・LFの4つの値の意味は?

各作業について、次の4つの値を求めます。前の2つが「一番早くて」、後の2つが「一番遅くて」です。

4つの値(当サイトの整理)
略語名前意味求め方
ES最早開始日(Early Start)一番早く始められる日フォワードパス
EF最早終了日(Early Finish)一番早く終われる日フォワードパス
LS最遅開始日(Late Start)完了日を遅らせずに始められる最も遅い日バックワードパス
LF最遅終了日(Late Finish)完了日を遅らせずに終われる最も遅い日バックワードパス

経路が少ないネットワークなら、経路を書き出すだけでクリティカルパスは分かります(クリティカルパスとは? を参照)。4つの値を計算すれば、経路が多くても漏れなく求められ、作業ごとの余裕も分かります。

ECO 2026年版の Process タスク8「スケジュールの計画と管理」で使う計算です。スケジュールの作成や、差異の分析の土台になります。

ネットワーク図には4つの値をどう書く?

ネットワーク図では、作業の箱(ノード)の四隅に4つの値を書く形がよく使われます。図表問題で値を読み取るときも、この配置を知っておくと迷いません。配置は教材によって違いますが、次の形が代表的です。

ノードの書き方の一例(配置は教材によって違う)
左中央右
上段ES作業名・期間EF
下段LSトータルフロートLF

上段が「早い方」、下段が「遅い方」です。上段は左から右へ(ES → EF)、下段は右から左へ(LF → LS)計算する、と覚えると図の向きと手順が一致します。

例題のネットワーク

次の5つの作業で計算します(当サイトの架空の例・単位は日)。どれも「前が終わったら次を始める」終了−開始(FS)の関係です。依存関係の種類は PDMの4つの依存関係 で解説しています。

例題の作業一覧
作業期間先行作業後続作業
A3なしB・C
B4AD
C6AD・E
D5B・Cなし(終了)
E4Cなし(終了)

D は B と C が合流する作業です。A と C は、後ろが分岐する作業です。この「合流」と「分岐」の扱いが、計算のポイントになります。

フォワードパス(ES・EF)はどう計算する?

最初の作業の ES を0として、前から順に計算します(0始まり)。ルールは次の2つです。

1つ目は EF = ES + 期間。2つ目は、次の作業の ES = 先行作業の EF です。先行が複数あるときは、その中の最大値を取ります。

フォワードパス(0始まり)

EF = ES + 期間、合流点の ES = 先行の EF の最大値

  1. 1A:ES 0、EF 0 + 3 = 3
  2. 2B:ES 3、EF 3 + 4 = 7
  3. 3C:ES 3、EF 3 + 6 = 9
  4. 4D:ES = max(B の EF 7, C の EF 9) = 9、EF 9 + 5 = 14
  5. 5E:ES 9、EF 9 + 4 = 13
  6. 6プロジェクトの期間 = 最後の EF の最大値 = max(14, 13) = 14日

プロジェクトの期間は14日

当サイトの架空の例

合流点で最大値を取るのは、すべての先行作業が終わるまで次の作業を始められないからです。D は、B(7日目に終了)だけでなく C(9日目に終了)も待つ必要があります。

バックワードパス(LS・LF)はどう計算する?

最後の作業の LF をプロジェクトの期間(14)として、後ろから順に計算します。ルールは次の2つです。

1つ目は LS = LF − 期間。2つ目は、前の作業の LF = 後続作業の LS です。後続が複数あるときは、その中の最小値を取ります。

バックワードパス(0始まり)

LS = LF − 期間、分岐点の LF = 後続の LS の最小値

  1. 1D:LF 14、LS 14 − 5 = 9
  2. 2E:LF 14、LS 14 − 4 = 10
  3. 3B:LF = D の LS = 9、LS 9 − 4 = 5
  4. 4C:LF = min(D の LS 9, E の LS 10) = 9、LS 9 − 6 = 3
  5. 5A:LF = min(B の LS 5, C の LS 3) = 3、LS 3 − 3 = 0
  6. 6検算:最初の作業の LS が0に戻る

A の LS が0に戻ったので計算は正しい

当サイトの架空の例

分岐点で最小値を取るのは、後続のうち一番早く始める必要がある作業に間に合わせるためです。C は、D(9日目に開始が必要)と E(10日目に開始でよい)の両方に間に合う必要があります。そのため、早い方の9に合わせます。

結果をまとめると?フロートとクリティカルパス

4つの値がそろったら、LS − ES でトータルフロート(余裕)を出します。0の作業がクリティカルパスです。

例題の計算結果(0始まり)
作業ESEFLSLFフロート(LS − ES)
A03030(クリティカル)
B37592
C39390(クリティカル)
D9149140(クリティカル)
E91310141

クリティカルパスは A → C → D(14日)です。経路を書き出すと、A → B → D が12日、A → C → D が14日、A → C → E が13日です。最も長い経路と、フロート0の作業の並びが一致します。

フロートには、トータルフロートとフリーフロートの2種類があります。違いは トータルフロートとフリーフロートの違い で解説しています。

0始まりと1始まりは何が違う?

教材によって、最初の作業の ES を「0」にする方法と「1(1日目)」にする方法があります。1始まりは「何日目の朝に始め、何日目の夕方に終わるか」で数えるので、式が1ずつずれます。

0始まりと1始まりの式

0始まり

  • 開始最初の ES = 0
  • 終了EF = ES + 期間
  • 次へ次の ES = 前の EF
  • 最遅開始LS = LF − 期間
  • 前へ前の LF = 次の LS

1始まり

  • 開始最初の ES = 1
  • 終了EF = ES + 期間 − 1
  • 次へ次の ES = 前の EF + 1
  • 最遅開始LS = LF − 期間 + 1
  • 前へ前の LF = 次の LS − 1

どちらで計算しても、フロートとクリティカルパスは同じになります。

当サイトの整理

例題を1始まりで計算した結果
作業ESEFLSLFフロート(LS − ES)
A13130
B47692
C49490
D101410140
E101311141

ES と LS は0始まりより1ずつ大きくなりますが、フロートは0始まりと同じです。

問題文が「1日目に開始」のように書いていれば1始まり、図に0から始まる値が書かれていれば0始まりです。問題の書き方に合わせてください。

よくある誤りは?

計算問題の誤答の選択肢は、たいてい決まった間違い方から作られています。代表的なものを表にまとめました。

フォワードパス・バックワードパスでよくある誤り(当サイトの整理)
誤りどうなるか正しいルール
合流点で、先行の EF の最小値を取るES が早すぎ、期間を短く見誤る合流点は最大値
分岐点で、後続の LS の最大値を取るLF が遅すぎ、後続が間に合わない計画になる分岐点は最小値
1始まりで、次の ES を前の EF と同じにする1日ずつずれる1始まりは「前の EF + 1」
終了につながる作業ごとに、自分の EF を LF にする余裕のある作業を見落とすLF はプロジェクトの期間(最後の EF の最大値)
フロートを ES − LS で出すフロートがマイナスになる「遅い方 − 早い方」で LS − ES

確認問題1

最遅開始日を求める

(当サイトの独自問題)作業 A(4日)の後に、B(5日)と C(1日)が始まります。D(3日)は C の後、E(2日)は B と D の両方の後に始まり、E が最後の作業です。0始まりで計算するとき、作業 D の LS(最遅開始日)はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:1。フォワードパスで A 0〜4、B 4〜9、C 4〜5、D 5〜8、E は max(9, 8) = 9 から 11 です。バックワードパスでは、E の LS は 11 − 2 = 9 です。D の LF は9なので、LS = 9 − 3 = 6 になります。

2:D の ES です。3:D の EF にあたります。4:D の LF です。D のフロートは 6 − 5 = 1日です。

確認問題2

1始まりでの最早開始日

(当サイトの独自問題)チームの工程表は「1日目に開始」で数える決まりです。作業 E には2つの先行作業があり、1始まりでの EF は、作業 B が9、作業 D が8です。工程表に記入する E の ES(最早開始日)はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:4。合流点なので、先行の EF の最大値9を取ります。1始まりでは次の日に始めるので、9 + 1 = 10 です。

1:最小値を取り、しかも1を足していません。2:0始まりの考え方のまま、1を足していません。3:1を2回足しています。

確認問題3

工程表の誤りを指摘する

(当サイトの独自問題)新しく加わったスケジューラーが作った工程表を確認しています。作業 A の後続は B(LS 5)と C(LS 3)の2つですが、工程表は0始まりで数えており、A の LF が5と記入されていました。プロジェクト・マネジャーがスケジューラーに伝えるべき内容はどれか。

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。

正解と解説を見る

正解:2。バックワードパスでは、0始まりの分岐点の LF は後続の LS の最小値です(1始まりでは、最小の LS − 1)。LF を5にすると C の開始が間に合わず、完了日が遅れる計画になります。

1:平均を取るルールはありません。3:ES に期間を足すのは、EF の求め方です。4:最大値を取るのは、フォワードパスの合流点(ES)のルールです。

次に何をすればいい?

白紙に5〜6個の作業のネットワークを書き、フォワード・バックワードを3回ほど手で計算すると、ルールが身につきます。計算できたら、フロートを使った遅れの判断や、資源の制約を考える 資源平準化 に進んでください。

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よくある質問

合流点で最大値、分岐点で最小値を取るのはなぜですか?

合流点では、すべての先行作業が終わるまで次を始められないので最大値です。分岐点では、後続のうち最も早く始める必要がある作業に間に合わせるので最小値です。

0始まりと1始まりのどちらで覚えればよいですか?

どちらか一方を確実に使えれば十分です。フロートとクリティカルパスは、どちらでも同じ値になります。問題文に「1日目」とあれば、1始まりに合わせます。

最後の作業が複数あるとき、LF はどうしますか?

フォワードパスで求めたプロジェクトの期間(最後の EF の最大値)を、終了につながるすべての作業の LF にします。

出典・参考

  1. [1]PMI: PMP Examination Content Outline(2026年7月版。Process タスク8)
  2. [2]PMI: PMBOK® Guide(スケジュールの用語の出典)

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