SV・CV・SPI・CPIの覚え方は?
結論から言うと、覚えることは3つだけです。
- すべて EV から始める(EV − ◯、EV ÷ ◯)。
- スケジュール(S)は PV、コスト(C)は AC と比べる。
- 差(Variance)は引き算、指数(Index)は割り算。
| 式 | 名前 | 良い | 悪い |
|---|---|---|---|
| SV = EV − PV | スケジュール差異 | プラス(前倒し) | マイナス(遅れ) |
| CV = EV − AC | コスト差異 | プラス(予算内) | マイナス(超過) |
| SPI = EV ÷ PV | スケジュール効率指数 | 1より大きい | 1より小さい |
| CPI = EV ÷ AC | コスト効率指数 | 1より大きい | 1より小さい |
上の3つを組み合わせると、表の4つの式になります。EV の意味があいまいな人は、先に EVM(アーンドバリュー)とは?PV・EV・ACの意味 で基本を確認してください。
POINT
差がちょうど0、指数がちょうど1なら計画どおりです。ECO 2026年版の Process タスク6(財務)とタスク9(状況の評価)で使う計算です。
PV・EV・ACが問題文に書かれていないときは?
試験の問題文は、PV・EV・AC をそのまま書いてくれるとは限りません。BAC(完成時総予算)と完了率で示したり、差異から逆算させたりする形もあります。拾い方は次のとおりです。
| 値 | 問題文の書き方の例 | 求め方 |
|---|---|---|
| PV | 「3か月目までに全体の50%を終える計画」 | BAC × 計画上の完了率 |
| EV | 「実際に完了した作業は全体の45%」 | BAC × 実際の完了率 |
| AC | 「これまでに使った費用は600万円」 | そのまま使う |
| PV(逆算) | 「EV 500万円、SV −40万円」 | PV = EV − SV = 540万円 |
| AC(逆算) | 「EV 500万円、CV +25万円」 | AC = EV − CV = 475万円 |
逆算は、式を変形するだけです。SV = EV − PV なので、PV = EV − SV になります。同じように、AC は EV − CV で求めます。符号のついた数を引くときは、マイナスの扱いに注意してください。
SVとSPIはどう計算する?
SV(Schedule Variance)は、できた分(EV)が予定(PV)より何円分多いか少ないかです。SPI(Schedule Performance Index)は、予定に対して何割の作業ができたかを表します。
PV 500万円、EV 450万円の場合で計算します。
SV = EV − PV、SPI = EV ÷ PV
- 1SV = 450 − 500 = −50万円
- 2SPI = 450 ÷ 500 = 0.9
- 3検算:PV × SPI = 500 × 0.9 = 450 = EV
予定の9割しか進んでいない(遅れ)
当サイトの架空の例
SPI 0.9 は、1円分の予定に対して0.9円分しか作業が進んでいない状態です。SV はお金の単位で出ますが、表しているのはスケジュールの状態です。「SV がマイナス50万円だから50万円の損」と読まないよう注意してください。
CVとCPIはどう計算する?
CV(Cost Variance)は、できた分の予算(EV)と実際に使ったお金(AC)の差です。CPI(Cost Performance Index)は、1円使うごとに何円分の作業ができたかを表します。
同じ例で、AC が400万円だったとします。
CV = EV − AC、CPI = EV ÷ AC
- 1CV = 450 − 400 = +50万円
- 2CPI = 450 ÷ 400 = 1.125
- 3検算:AC × CPI = 400 × 1.125 = 450 = EV
1円あたり1.125円分の作業ができている(予算内)
当サイトの架空の例
この例は「遅れているが、お金は効率よく使えている」状態です。人が足りず作業が進んでいないため、お金もあまり使っていない、という場面でよく見られます。指数が1つ良いからといって、プロジェクト全体が順調とは限りません。
結果はどう読む?遅れ・超過の4パターン
SPI と CPI の組み合わせで、状況は4つに分かれます。試験では、このあとに「プロジェクト・マネジャー(PM)は次に何をすべきか」が続きます。
SPI ≧ 1
スケジュール順調
- CPI ≧ 1:順調。継続して監視
- CPI < 1:前倒しだが超過。過剰な投入やコストの原因を分析
SPI < 1
スケジュール遅れ
- CPI ≧ 1:遅れだが予算内。資源不足などの原因を分析
- CPI < 1:遅れかつ超過。原因を分析し、是正策と変更要求を検討
どのパターンでも、最初は「原因の分析」。数字だけで対策を決めません。
当サイトの整理
是正のためにベースラインや予算を変える必要があれば、変更管理の手続きを通します。完成時の総額の見込みは、CPI を使った EAC で見積もるのが基本です。式の使い分けは EACの計算式4パターン で解説しています。
例題:手順どおりに解いてみる
(当サイトの独自例題)総予算(BAC)1,200万円、6か月の業務改善プロジェクトです。3か月目の終わりに確認すると、計画上は600万円分の作業を終える予定でした。実際の完了率は45%、使った費用は600万円です。SV・CV・SPI・CPI を求めてください。
解く手順は「PV・EV・AC を書き出す → 4つの式に入れる → 読む」の3段階です。
EV = BAC × 完了率 → SV・CV・SPI・CPI
- 1PV = 600万円、AC = 600万円(問題文から)
- 2EV = 1,200 × 0.45 = 540万円
- 3SV = 540 − 600 = −60万円
- 4CV = 540 − 600 = −60万円
- 5SPI = 540 ÷ 600 = 0.9
- 6CPI = 540 ÷ 600 = 0.9
遅れていて、予算も超過している
当サイトの架空の例
PV と AC がどちらも600万円なので、「予定どおりのお金を使ったから順調」に見えてしまいます。EV を出すと、作業は予定の9割しか進んでいないと分かります。PV と AC だけで判断しないことは、図表問題でも大切なポイントです。
よくある誤答は?計算ミスを防ぐコツ
計算問題の誤答の選択肢は、たいてい決まった間違い方から作られています。代表的なものを表にしました。
| 誤り | どうなるか | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 割り算を逆にする(SPI = PV ÷ EV) | 良し悪しの判断が反対になる | 指数は必ず EV が分子 |
| PV と AC だけで判断する | 「予定どおりお金を使ったから順調」と誤る | 最初に EV を計算する |
| 経過期間の割合を完了率にする | EV が実態とずれる | 完了率は作業の実績で数える |
| 累計と当月の値を混ぜる | 比べる意味がなくなる | PV・EV・AC の期間をそろえる |
| SV のマイナスを損失額と読む | コストの問題と取り違える | SV はスケジュールの差と覚える |
検算は掛け算で戻します。PV × SPI = EV、AC × CPI = EV になるかを確かめてください。PMP で出る計算全体(スケジュールや意思決定の計算など)は PMPの計算問題の公式一覧 にまとめています。
確認問題1
前倒しなのに予算を超えている
(当サイトの独自問題)月次の状況確認で、PV は200万円、EV は240万円、AC は300万円でした。チームは「予定より早く進んでいる」と喜んでいます。プロジェクト・マネジャーが次に行うべきことはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:3。SPI = 240 ÷ 200 = 1.2 で前倒しです。しかし CPI = 240 ÷ 300 = 0.8 で、1円あたり0.8円分の作業しかできていません。まず超過の原因を分析し、完成時の見込みへの影響を確かめます。
1:コストの問題を伝えておらず、報告の透明性に欠けます。2:原因を分析する前に予算の追加を求めるのは、順番が逆です。4:コストの問題を放置したまま、作業だけを先に進めています。
確認問題2
コスト効率が最も悪いプロジェクト
(当サイトの独自問題)PMO から、担当する4つのプロジェクトの見直しを依頼されました。コストの使い方の効率が最も悪いものから優先して見直します。各プロジェクトの指数は次のとおりです。最初に見直すべきプロジェクトはどれか。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:1。コストの効率は CPI で比べます。CPI が最も小さいのは0.85です。
2:CPI 1.05 は予算内です(遅れは大きい)。3:CPI 0.92 も1未満ですが、0.85より良い値です。4:SPI が最も悪いので、スケジュールの見直しなら優先度が高いプロジェクトです。
確認問題3
差異から指数を求める
(当サイトの独自問題)状況報告書には、EV が300万円、SV が+20万円、CV が−30万円と書かれています。スポンサーから指数で示すよう求められました。報告する SPI と CPI の組み合わせはどれか(小数第3位を四捨五入)。
選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。
正解と解説を見る
正解:4。SV = EV − PV なので PV = 300 − 20 = 280万円。CV = EV − AC なので AC = 300 + 30 = 330万円。SPI = 300 ÷ 280 ≒ 1.07、CPI = 300 ÷ 330 ≒ 0.91 です。
1:割り算を逆にした値(280 ÷ 300 ≒ 0.93、330 ÷ 300 = 1.10)です。2:割り算を逆にしたうえで、SPI と CPI を入れ替えています。3:SPI と CPI を入れ替えた組み合わせです。