更新期限を過ぎるとどうなる?3つの状態
更新の期限を過ぎても、すぐに資格がなくなるわけではありません。PMIのCCRハンドブックでは、認定の状態を次のように定めています。
合格日〜3年
有効(active)
60PDUの報告と更新費用の支払いで次の3年へ
終了日の翌日から1年
停止(suspended)
PMPを名乗れない。手続きすれば戻れる
停止の1年が過ぎたら
失効(expired)
PMPの保有者ではなくなる。受験からやり直し
出典:PMI CCR Handbook(2026年4月更新)
| 状態 | PMPを名乗れるか | PDUの報告 | 有効に戻る方法 |
|---|---|---|---|
| 有効(active) | 名乗れる | できる | — |
| 停止(suspended) | 名乗れない | できる | 停止の1年の間に、更新の手続きを終える |
| 失効(expired) | 名乗れない | できない | 新しく申請し、費用を払い、試験を受け直す |
つまり、期限を過ぎてから1年間は、取り戻すための期間があります。この期間を「猶予」と呼ぶ人もいます。ただし、停止中はPMPを名乗れない点で、有効な状態とは違います。
更新期限と支払いの期限は?
更新のサイクルは、試験に合格した日から3年です。CCRハンドブックでは、サイクルが終わる前にPDUを報告して更新費用を払えば、有効な状態を保てるとしています。
同じハンドブックには、更新費用の支払いはサイクル終了日から90日以内に、という記載もあります。ただし、PDUの要件をサイクルの中で満たせていないと停止になります。期限ぎりぎりまで待つのは危険です。PDUの報告と支払いは、終了日より前に済ませるのが確実です。
自分のサイクルの終了日は、myPMIのダッシュボードやCCRSで確かめられます。更新の手続きの全体はPMPの更新方法にまとめています。
停止(suspended)状態とは?できること・できないこと
停止は、サイクルの中で要件を満たせなかったときに置かれる状態です。期間は1年(12か月)です。
| 項目 | 停止中の扱い |
|---|---|
| PMPを名乗る・名称を使う | できない(名刺・署名・履歴書の記載に注意) |
| PDUを集めて報告する | できる。停止の1年の間に必要なPDUを集める |
| 更新の手続き | できる。手続きを終えると有効な状態に戻る |
| 次のサイクルの日付 | 変わらない。停止の期間は次のサイクルと重なる |
注意したいのは最後の行です。停止から戻っても、次のサイクルの終了日は後ろにずれません。具体的な日付で、次の章で確かめます。
転職活動中の人や、名刺にPMPを入れている人は、停止中に名称を使わないよう気をつけてください。
停止中かどうかは、myPMIの認定の状態で確かめられます。オンラインの認定者名簿に自動で載るのは、有効な認定者です(CCRハンドブック)。取引先や転職先が名簿で確かめたとき、名前が出ないこともあります。
停止から戻ると、次の期限はどうなる?計算例
停止の期間は、次のサイクルと重なります。そのため、戻るのが遅いほど、次の3年のうち使える時間が短くなります。架空の例で計算します。
次のサイクルの残り = 次のサイクルの終了月 − 手続きを終えた月
- 12023年10月に合格 → 最初のサイクルは2026年9月まで(3年)
- 2要件を満たせず、2026年10月から1年間の停止
- 32027年6月に不足のPDUを足し、手続きを終えたとする
- 4次のサイクルは停止と重なり、2026年10月から2029年9月まで
- 5残りは2027年7月〜2029年9月の27か月(約2年3か月)
停止していた9か月の分だけ、次の3年が短くなる
日付は当サイトの架空の例。サイクルの日付が変わらないことは CCR Handbook による。実際の日付は myPMI で確かめてください。
この例では、次の60PDUを27か月で集めることになります。1年あたりにすると、約27PDUです。戻った後は、すぐに次のPDU集めを始めてください。
停止から戻るにはどうする?手続きの流れ
停止中にやることは、ふだんの更新と同じです。
- myPMIやCCRSで、足りないPDUの数と内訳を確かめる(教育35以上、3分野に各8以上、ギビングバックは25まで)
- 足りない分のPDUを集め、CCRSで報告する
- 要件を満たすと届く案内に沿って、更新費用を払う
- 新しい期間の認定証が出たことを確かめる
| 項目 | 条件 | 停止前 | 足すPDU | 足した後 |
|---|---|---|---|---|
| 合計 | 60以上 | 52 | +8 | 60 |
| 教育 | 35以上 | 30 | +8 | 38 |
| └ 働き方 | 8以上 | 12 | 0 | 12 |
| └ パワースキル | 8以上 | 13 | 0 | 13 |
| └ ビジネス感覚 | 8以上 | 5 | +8 | 13 |
| ギビングバック | 25まで | 22 | 0 | 22 |
表の例では、合計が8PDU、ビジネス感覚が3PDU足りません。別々に埋めると11PDUが必要に見えます。しかし、ビジネス感覚の学習で8PDUを取れば、1回で両方を満たせます。足りない分野から先に埋めるのがコツです。
PDUの集め方はPMPのPDUの取り方で解説しています。病気などやむを得ない事情で手続きができなかった場合は、PMIのカスタマーケアに連絡します。事情は個別に審査されます(CCRハンドブック)。
失効した後はどう扱われる?
停止の1年が過ぎても手続きを終えていないと、失効します。CCRハンドブックによると、失効するとPDUの報告ができなくなり、PMPの保有者とはみなされません。
もう一度PMPを持つには、新しく申請し、費用を払い、試験を受け直す必要があります。以前に合格していても、試験の免除はありません。
なお、PMIの判断に納得できない場合は、異議を申し立てる手続きがあります。PMIの認定ハンドブックでは、CCRの要件を満たせず認定を失った場合も対象とし、30日以内に書面(メール)で申し立てるとしています。
失効後に取り直す条件は?
取り直すときは、申請する時点の条件が適用されます。2026年7月からの条件(ECO 2026)では、次のものが必要です。
- 学歴に応じた、プロジェクトを率いた経験(大卒なら36か月)。申請前の10年以内の経験に限る
- 35時間の研修(有効なCAPMを持っていれば記録が免除)
- 申請が承認された後の受験料の支払い
- 2026年7月からの新しい形式の試験(180問・240分・3領域)への合格
経験は、案件の数ではなく月数で数えます。同じ期間に重なった案件は、二重には数えません(ECO 2026)。以前の申請で書いた経験でも、申請日から10年より前のものは使えません。
10年以内という条件があるため、PMの仕事から離れて時間がたっていると、経験の要件を満たせない場合があります。その場合は、経験が不要な資格から学び直す道もあります(PMPとCAPMの違い)。
また、試験は以前とは形式も範囲も変わっています。2026年7月からの試験は、ケース問題や図表を読む問題が加わり、AIやサステナビリティなどの論点も含みます。範囲はECO 2026の解説で確かめ、無料模試30問で今の形式に慣れておくと安心です。
失効しないための管理は?
失効の多くは、「期限を知らなかった」「メールに気づかなかった」「最後にまとめて集めようとして間に合わなかった」のどれかです。次の管理で防げます。
- myPMIで、サイクルの終了日を確かめ、カレンダーに「6か月前」「3か月前」「1か月前」の予定を入れる
- myPMIに登録したメールアドレスを、ふだん見るものにしておく(更新の案内はメールで届く)
- 1年に20PDU前後を目安に、取ったらすぐ報告する
- 3分野(働き方・パワースキル・ビジネス感覚)の条件を、2年目の終わりに確かめる
- 根拠資料を、報告のたびに保存する(サイクル終了から18か月以上保管)
PMの仕事から完全に離れる人には、引退者(Retiree)の状態という選択肢もあります。CCRハンドブックでは、10年以上続けて有効な状態を保ち、プロジェクトマネジメントの仕事で主な収入を得ていない人が申請できるとしています。引退者になると、PDUの報告が不要になります。