PMPの更新に必要なことは?結論から
PMPは、取ったら一生有効な資格ではありません。合格した日から3年ごとに、次の3つを済ませて更新します。
- 60PDUを集める:PDUは、学習や貢献の時間を数える単位です。1時間の活動が1PDUです。
- CCRSで報告する:myPMIのダッシュボードの「Report PDUs」か、PMIのアプリから入力します。
- 更新費用を払う:PDUの要件を満たしたとPMIが確認すると、更新の案内が届きます。
期限は、3年のサイクルが終わる日です。2026年版の出題範囲(ECO)にも、3年ごとに60PDUを報告して更新費用を払う、と書かれています。
この仕組みを、PMIはCCR(継続認定要件)と呼びます。CCRハンドブックによると、サイクルは合格した日に始まります。合格前の活動はPDUに数えられません。受験のために受けた35時間の研修も使えません。
60PDUの内訳は?
60PDUは、教育とギビングバック(専門の知識で職業に貢献する活動)に分かれます。条件は次のとおりです。
| 区分 | 必要なPDU | 中身 |
|---|---|---|
| 教育(Education) | 35以上 | 講座・ウェビナー・読書・学びの場など |
| └ 働き方(Ways of Working) | 8以上 | 予測型・アジャイル・ハイブリッドなどの手法 |
| └ パワースキル(Power Skills) | 8以上 | リーダーシップ・コミュニケーションなど |
| └ ビジネス感覚(Business Acumen) | 8以上 | 戦略・事業の理解・意思決定など |
| └ 残り | 11 | 3分野のどれでもよい |
| ギビングバック(Giving Back) | 25まで | 実務を続けること(8まで)、ボランティア、教える、発表、執筆など |
| 合計 | 60 |
1時間に満たない活動は、15分=0.25PDUの単位で数えます。教育は35を超えてもかまいません。ギビングバックは上限が25なので、教育だけで60PDUを満たすこともできます。
PMI-ACPなど、ほかのPMIの資格も持っている場合は、PDUを共有できます。パワースキル・ビジネス感覚・ギビングバックのPDUは、持っているすべての資格に数えられます。働き方のPDUも、PMPには数えられます(CCRハンドブック)。
安く集める方法や、活動ごとの数え方はPMPのPDUの取り方で詳しく解説しています。
更新の手続きはどう進む?
PMIの公式ページとCCRハンドブックで示されている流れは、次のとおりです。
- 1
PDUを集める
合格日から3年のサイクルの中で
- 2
CCRSで報告する
myPMIのダッシュボードかPMIのアプリから
- 3
要件を満たす
60PDU(内訳の条件も)
- 4
更新の案内メール
支払いのリンクが届く
- 5
更新費用を払う
会員価格・地域価格あり
- 6
新しいサイクル
新しい期間の認定証が出る
PMI「Maintain Your Certification」、CCR Handbook をもとに当サイトが整理
PDUの報告に使うのは、CCRS(Continuing Certification Requirements System)というオンラインの仕組みです。ccrs.pmi.org か、myPMIの「Report PDUs」から入ります。サイクルのどこにいるか、要件に対して何PDU足りないかも、CCRSで確かめられます。
読書やオンライン学習を報告するときは、提供元(読書なら著者)、題名、内容の説明、始めた日と終えた日を入力します。3分野のどれに何PDUを割り当てるかも指定します。ProjectManagement.com の学習は、PMI.org のアカウントとつなげば自動で報告されます(CCRハンドブック)。
60PDUの要件を満たせば、サイクルの途中でも手続きできます。支払いが終わると、新しいサイクルの日付が入った認定証が届きます。更新の案内はメールで来るため、myPMIに登録したメールアドレスは、ふだん見るものにしておくのが安全です。
更新費用はいくら?会員と非会員の違い
CCRハンドブックは、更新費用を会員かどうかと地域によって変わる価格としています。最新の金額は、myPMIにログインし、「Renew Certification」から確かめるよう案内しています。
ネット上では「会員60ドル・非会員150ドル」という金額をよく見かけます。しかし、2026年4月版のハンドブックに金額の記載はありません。PMIの公開ページにも載っていません(2026年10月時点)。当サイトでは、確かめられない金額は書きません。
PMIの会員ページでは、会員特典として、認定資格(更新を含む)が最大30%割引になるとしています。更新のときに会員かどうかで、払う額が変わります。
注意したいのは、PMIの会費と、PMPの更新費用は別物だということです。会員でも、PMPの更新費用は別に払います。
POINT
金額は改定されることがあります。支払いの前に、myPMIの画面で必ず確かめてください。
更新できる状態か、どう確かめる?
合計が60PDUでも、内訳の条件を満たしていないと更新できません。報告したPDUを、次の表で見直します。
| 確かめること | 条件 | よくあるつまずき |
|---|---|---|
| 合計 | 60PDU以上 | 合計だけを見て、内訳の条件を見落とす |
| 教育 | 35PDU以上 | ギビングバックが多く、教育が足りない |
| 3分野 | 働き方・パワースキル・ビジネス感覚に各8PDU以上 | 技術の講座ばかりで、ビジネス感覚が足りない |
| ギビングバック | 25PDUまで(実務を続けていることは8まで) | 上限を超えた分は数えられない |
| 活動の時期 | 合格日より後で、今のサイクルの中 | 受験前の研修を入れてしまう |
| 重複 | 同じ講座や活動は1回だけ | 同じウェビナーを2回報告する |
2年目の終わりに一度、この表で確かめておくと安心です。足りない分野が分かれば、最後の1年はそこに絞って集められます。
期限が近いときに注意することは?
CCRハンドブックは、PDUの報告と更新費用の支払いを、サイクルが終わる前に済ませることで有効な状態を保てる、としています。期限が近い人は、次の点に気をつけます。
- 内訳を先に埋める:3分野のどれかが8PDUに届いていないと、合計が60でも要件を満たしません。
- 入力の手間を見込む:自動で報告される学習は一部だけです。多くは自分で入力するので、直前にまとめて入力しないようにします。
- 支払いの期限:ハンドブックには、サイクル終了日から90日以内に支払う、という記載もあります。ただし、PDUの要件はサイクルの中で満たす必要があります。終了日までに済ませるのが確実です。
- やむを得ない事情:病気などで手続きができないときは、PMIのカスタマーケアに連絡します。個別に審査されます(CCRハンドブック)。
残りの期間ごとに、何をすればいい?
更新でつまずく人の多くは、最後の数か月にまとめて集めようとして、内訳の条件を満たせなくなります。残りの期間ごとに、やることを決めておきます。
| 残りの期間 | やること |
|---|---|
| 合格直後 | myPMIでサイクルの開始日と終了日を確かめ、カレンダーに入れる。根拠資料の保存場所を決める |
| 残り2年 | 1年に20PDU前後を目安に集め、取ったらすぐ報告する |
| 残り1年 | 3分野の不足を埋める。この1年に60を超えて取った分は、20PDUまで次のサイクルに持ち越せる |
| 残り3か月 | 要件を満たしたら、案内に沿って更新費用を払う |
| 終了日を過ぎた | 停止の1年の間に不足分を集め、手続きを終える |
期限を過ぎたらどうなる?
サイクルの終了日までに要件を満たせないと、PMPは停止(suspended)になります。CCRハンドブックによると、停止の期間は1年(12か月)です。
合格日〜3年
有効(active)
PDUを集めて報告し、更新費用を払う
サイクル終了の翌日〜1年
停止(suspended)
PMPを名乗れない。この間に手続きすれば戻れる
停止の1年が過ぎた後
失効(expired)
申請・受験からやり直し
出典:PMI CCR Handbook(2026年4月更新)
停止の間は、PMPの名称を名乗ったり使ったりできません。名刺やメールの署名に入れている人は注意します。停止の1年の間に手続きを終えれば、有効な状態に戻れます。このとき、次のサイクルの日付は変わりません。停止の期間は、次のサイクルと重なります。
停止の1年も過ぎると失効し、PDUの報告もできなくなります。取り直すには、新しく申請し、費用を払い、試験を受け直します。戻り方の詳細はPMPが失効したら?で解説しています。
監査に選ばれたらどうする?
PMPの保有者は、全員が監査(audit)の対象です。CCRハンドブックによると、一定の割合の保有者が無作為に選ばれます。選ばれると、報告したPDUの根拠となる資料の提出を求められます。監査を終えるまで、更新はできません。
- 講座・研修:申込書、修了証、出席の証明
- オンライン学習・読書:学んだ内容のメモと日付
- 実務を続けていること:職務内容の分かる資料(雇用の証明)
- 発表・執筆:発表資料、出版物の写し
根拠資料は、サイクルが終わってから少なくとも18か月保管します(CCRハンドブック)。報告のたびに、決まったフォルダに保存しておくと慌てずに済みます。
更新を続けるか迷ったら?
更新には、PDUを集める時間と更新費用がかかります。続けるか迷う人は、資格で得られることをPMP資格のメリットで見直してください。
2026年7月から試験の範囲が変わり、AIやサステナビリティなどの論点も加わりました(ECO 2026の解説)。新しい論点を学ぶことは、働き方やビジネス感覚のPDUを集めるテーマにもなります。
後輩にプロジェクトマネジメントを教えることも、知識の共有としてギビングバックのPDUに数えられます(CCRハンドブック)。受験を目指す後輩がいれば、無料模試30問を一緒に解き、選んだ理由を話し合うのも一つの方法です。